webエンジニアやプログラマー、SEなど、ITやWEB業界で転職を希望している場合、スキルや経験が十分に備わっている場合でも、面接で不採用が続いたり、転職活動が長引いてしまったりすることがあります。
転職というものはそもそも得意だとか慣れとかいうものはなく、難易度の高い仕事をこなしてこようが、何歳になっても緊張したり、不安に思うのは当然のことです。
どんなに良い職務経歴書を揃えても、なぜかいつも一次面接で落ちてしまう…とか、面接官の反応が手応えあったのに、最終面接まで進めない…という人もいるでしょう。
これから転職を開始するという人も、現在転職活動中だけどなぜか上手くいっていないという人も、面接官が不採用を決めるポイントや、どこを見ているのか、注意するべき点などについてお話するので、ぜひチェックしてみてください。
目次
IT業界は売り手市場!人材不足で慢性的な長時間労働も…
IT業界というのは、こちらのページIT、WEBエンジニアなどの転職で失敗しないためのポイントは?30代や40代の場合は?キャリアの棚卸しや市場価値を知る&転職エージェントの利用がおすすめ!でもお話したように、他の業界と比べても求人倍率がとても高く、多くの企業で積極的に新たな人材を募集しています。
(doda転職求人倍率レポート(データ)より)
こちらのグラフは、dodaエージェントの登録者1人に対して中途採用求人が何件あるのかを表したもので、IT業界だけ飛び抜けて高いことがわかります。

僕が新卒で就活をしていた時も、僕を含めて同期の友人たちもそれほど就職先には苦労していない感じだったよ。
就職しないでそのまま大学院に進む人もいれば、大手メーカーを目指す人、ベンチャーを狙う人などいろいろだったなぁ。
ただ印象としては、外国人の就職希望者もちらほらと見かけたね。
常に慢性的な人手不足に悩まされているこの業界は、会社内でも人員が不足していることで1人1人の負担が大きくなったり、ハードなスケジュールになりがちで、残業が重なり長時間労働になってしまうことも多く、それが転職の理由となっている人もいるでしょう。
新卒から入社してすでに今IT・WEB業界で働いている人も、それが次は転職による中途採用ともなると、また話は違ってきますよね。
中途採用となると、新卒時よりは仕事の上でも社会人としてもワンランク上のレベルが求められますし、20代の場合は今後の伸びしろやスキルアップに期待されることが多く、30代、40代以上ともなると採用後すぐに”即戦力”として活躍してくれることを前提として選考されます。
いくらIT業界が売り手市場であるとは言え、ではIT業界で転職をしている人全てが納得のいく転職が成功しているかと言ったらそうではなく、売り手市場であっても転職活動で不採用となっている人は少なくありません。
では、どんな人が転職活動で失敗しているのでしょうか?
面接で不採用の主な原因5パターン
①不採用理由1位!コミュニケーション力が不足している人

webエンジニアに転職する際の面接で不採用となる理由として、ダントツの1位にあげられたのがコミュニケーション能力です。
これは、リクナビNEXTの「人事が明かす”ビックリ応募エンジニア”」というページでも、”絶対に採用しないエンジニア”としてコミュニケーションが取れない人だと回答されていました。
(リクナビNEXT人事が明かす”ビックリ応募エンジニア”より)
これは普段の生活におけるコミュニケーション能力のことではなく、一緒に業務を行う上で円滑に業務がすすめられるかどうかという面のことを指します。
そのため普段のコミュニケーション力に自信がない場合でも、事前にしっかり準備をしておくことでカバーできることもあるでしょう。
このコミュニケーション不足については、協調性のなさが理由で不採用とされる場合が多く、スキルがあってもチーム力を求められるエンジニア業界での採用は難しくなります。
毎日行われるスクラムミーティングでのコミュニケーションは非常に重要であり、チームで一丸となって良いものを開発していくために、積極的な意見が提案できることは重要なポイントとして判断されるのです。
チームでのものづくりが多いエンジニア業界において、コミュニケーション能力は欠かせないと言えます。
そのため面接では積極的に自分の意見を述べられるよう、しっかり練習としておくことが大切であり、特に年配の面接官ほど、コミュニケーション能力を重視して選考しています。
②今後のキャリアプラン、ビジョンが明確ではない人
転職での面接では今後の方向性について聞かれることもあります。
そのときに、今後のキャリアプランやビジョンが明確に答えられない場合には、不採用になる確率が上がります。
企業にとって、応募者の今後のビジョンを聞くことで、仕事に対する熱意を確かめているのです。
そのためには3年後、5年後、10年後にどのような人材として成長していきたいのかという、キャリアプランをしっかり持っている必要があります。
たとえばCTO(最高技術責任者)になり経営的なことにも参加し開発や運営を行いたいのか、将来的には自分で企業を立ち上げたいのかといった具体的なプランを示しましょう。
そのことで企業は、応募者が目指している部分と企業の方針が合うのかということも判断し、さらには企業にとって応募者を採用することで、企業の将来にプラスになるのかということも見ているのです。
明確なビジョンを持たない人には仕事へのやる気が感じられず、なんとなく仕事を探しているだけという風に感じてしまわれがちです。
この企業でどうしても仕事をしたいという熱意を見せるためには、その企業においてのキャリアプランを話すことで伝わりやすくなります。
そのためにも面接の前には、今後のキャリアビジョンやプランについてきちんと明確に答えられるように準備をしておきましょう。
抽象的な表現は避け、できるだけ具体的な内容を盛り込むことで説得力が増すでしょう。
自己分析やキャリアの棚卸しの方法については、こちらのページ転職のための強みを発見!「自己分析」や「キャリアの棚卸し」とは?おすすめのやり方・手順は?診断ツールや無料シート、本の紹介も!で解説しています。
③自分の強みを十分にアピールしきれていない人
面接では、自分の強みをアピールすることが非常に重要で、日本に謙遜する文化があるからといって面接でも謙遜していては自分を売り込むことはできないでしょう。
特に転職を希望している年齢では、新卒と比べると企業から求められる要素が大きく変わり、企業からみると年齢が若いほうが育てるだけの価値があり伸びしろがあると判断されます。
そのためよほど優れている技術があるということや、実績があるということをアピールしない限り勝ち目はないでしょう。
また、これまで仕事をしてきた会社の中の評価しか気にしていなかった人にとっては、社内でしか通用しないスキルであることに気が付いていない人もいます。
志望している企業の求めているスキルをきちんと把握し、自分がその企業にとっていかに必要な人物であるのかをアピールする必要があるのです。
そのためにも、志望する企業のことはきちんと研究し面接に臨む必要があります。
さらには、自分がどのような強みを持っているかに対して見つめ直すことが重要で、自分が誇れるものをきちんと知ることで、どうしてその仕事に就きたいのかということが見えてきます。
その内容と企業の求める人材とをすり合わせることで、企業に好感をもたれる強みをアピールできるでしょう。
例えば、自分のスキルが応募先の企業が求めるものとかけ離れていたり、全く関係ないものや仕事に活かせないようなものだったりしても、面接官からすると「うちでそのスキルは役立ててもらえない」とか「うちの会社では伸ばすことが出来ないスキルだ」などと思われ、不採用に至るケースも多いです。
応募先の募集要件と自分のアピールポイントやスキルなどがかけ離れている場合は注意しましょう。
自己PRについては、こちら「転職の面接大解剖!成功のポイント」でも解説しています。
④我が強い、自己主張が強い人
webエンジニアの仕事は、チームでひとつのことを一緒に開発していくことが多い職場です。
そのため、我が強すぎる人や自己主張の強い人は採用されないことが多くあります。
会社から任された仕事はきちんとこなすべきであり、あれをしたくない、これをしたくないと仕事を選べる立場ではないことを知っておく必要があるのです。
また、自分に自信がありすぎる人も問題で、面接においてこれまでの職場や周りの人を下に見るような発言をすることは、やりにくさを感じ取られてしまいます。
転職する企業では、新しい仕事に取り組むこととなり、新たに覚えるべきことも多いでしょう。
そのため、新しいことに対しても柔軟に対応し、素直に受け入れられることが必要とされているのです。
そめためにも面接では柔軟な姿勢を崩さず、経験のない仕事の内容であっても勉強する姿勢や、それに向かって努力する熱意を見せるのが企業にとっても好印象となります。

これが通らない企業では仕事がしたくないという強いこだわりがあるのなら仕方ありませんが、その企業に入って仕事がしたいと感じている場合には、自我を押し通すような発言は避け、素直に受け入れられる懐の広さや対応の柔軟さに重点を置いて、受け答えができるように努めましょう。
⑤熱意・意欲が感じられない人
面接や書類選考において、どうしてこの会社を志望しているのかがわからない場合には、不採用になることが多くあります。
その企業を志望しているにもかかわらず企業の業務内容が理解できていない場合や、経営方針がわかっていない場合などには企業に対して興味がないと判断されがちです。
自分で仕事を探したり、意見を求められたりする業務への転職を希望しているのに、言われたことだけしかやらないような態度であると、仕事をするのは無理だと判断されるでしょう。
プログラミングに対するスキルがある場合でも、この企業で働きたいという意思が伝わらなければ採用にはつながらないのです。
消極的な態度も、仕事に対する熱意が感じられずに不採用になることが多いでしょう。
経験のない業務である場合、やりたいと思う動機や根拠を具体的に伝えたりできるようになるために、よりいっそう取り組んでいたりする姿勢を見せることが重要で、そのような積極的なアピールが面接官の心をつかみ、採用へとつながるでしょう。

転職での採用試験では、業務経験のある人とひとつのポジションを争うこともあります。
そのときに経験のなさをカバーできるぐらいの熱意を見せることが重要であり、新しいことを学ぼうとする姿勢を示すことが大切です。
それができれば、未経験であっても内定につながるチャンスはあると考えられるでしょう!
また、面接に対しての基本のマナーを守ることも、仕事への熱意を見せることにつながりますので気を付ける必要があります。
服装や身だしなみ、時間厳守は社会人としての品格も問われますので、最低限守るべきことです。
webエンジニアとして転職を希望する場合には、チームで仕事をするという事を大前提におきチームワークが可能な人材であることをアピールしましょう。
また、企業でのキャリアプランをきちんと持つことで仕事への熱意を示し、社会人としてのマナーを守りつつ、企業にとって期待できる人材であることを積極的に伝えることが大切です。
根本的に、書類選考や面接のマナーが出来ていない人は論外
転職サイトのリクナビNEXTによると、「人事が明かす”ビックリ応募エンジニア”」というページで、不採用となった予想外もしないような驚きのエンジニアが紹介されていました。

エンジニアの中途採用に携わる担当者100人にアンケートをとったところ、例えば「履歴書の写真がペットと写ったものだった」、「写真がスーツではなく私服だった」、「プリクラを貼っていた」、「履歴書の誤字脱字が多かった」など、履歴書の書き方を根本的にわかっていない人もいるようでした。
せっかく希望の会社へ応募しているのに、知っていれば直せるような基礎的なことで不採用にならないよう、もう一度応募書類の正しい書き方についても確認しておきましょう。
履歴書や職務経歴書の書き方についてはこちら履歴書の正しい書き方サンプルと例文解説!学歴や卒業年度、本人希望欄、資格などの作成テンプレートへ。
転職時の職務経歴書の書き方とポイント・コツは?手書きかパソコン作成どちらが有利?見本テンプレやフォーマット例のダウンロードも!自己PRや志望動機はどうする?
リクナビNEXTの当該ページはこちら君は不採用!人事が明かす”ビックリ応募エンジニア”

せっかく書いた応募書類なのに、正しく書けていないだけで不採用に繋がるなんて、ちょっとビックリだよね。
面接に関しても不採用に繋がるものがありそうだね。

そうね、例えば面接にスーツではなく私服を着てくる人など、面接に相応しくない格好であったり、スーツは着ていても靴がスニーカーやリュックで来るなど、社会人として最低限の服装マナーが守れていない人も不採用になる傾向があるわ。
また、面接中に携帯電話が鳴るなど電源をオフにしていなかったり、面接の時間に遅刻してきたりする人なども、”一般常識がない人”として不採用になることが多いです。
こういった社会人としてのビジネスマナーは、備わっていて当然だと判断されることが多いので、もし基本的な部分で自信がない人は、こちらのページ面接当日の服装や身だしなみで気をつけること!男性・女性・夏・冬の場合!指定なしや普段着の場合は?ネイルや茶髪はNG?も参考にしてみてください。

さすがに面接に私服で行くほどではないけれど、正直面接中の受け答えとかは不安になるよ。
なにかふさわしくない回答を言ってしまっていないかとか、実務経験も少ないのに応募するなんて…って思われていないかとか、いろいろ考えると思っていることが上手く伝えられなかったりするんだ。

面接では、ポジティブで前向きな姿勢と、志望する熱意の伝え方、そして聞かれた質問に対して的確な回答をすることが大切です。
例えば、自分のスキルや経歴にあまり自信がなく、不安に思ってしまったりしても、聞かれた質問に対してネガティブでマイナス志向な発言をしてしまうと、「向上心がない」とか「採用されたいという思いが感じられない」、「自分の仕事にも自信が持てない人なんじゃないか」と思われてしまいます。
特に前職の退職理由を聞かれた時など、「残業が辛くてもう続けられなくて」とか「上司のやり方が納得できなくて」といったマイナスな回答や、「会社に将来性がないと感じた」とか「社長が嫌いなタイプだった」など、前職の悪口や批判的な内容を挙げるのは面接では絶対にNGです。
こうした態度は、「なんでも人のせいにする人」や、「仕事のミスをしても言い訳をしたり他人の責任にするんじゃないか」と判断される原因になります。
面接時の回答について参考になるページをいくつか載せておきますので、そちらも読んでみてください。
- 面接の時に必ず聞かれる質問!「長所」や「短所」の答え方とコツは?自己分析による具体的な例文と言い換え方法!
- 転職の面接で「退職理由」はどう答える?人間関係や残業、給料などで仕事をやめたのは嘘を言うのはNG?
- 転職活動や就活の面接で「最近気になるニュース」の正しい答え方は?関心のあるニュースのチェック方法と例文とポイント解説
- 転職や就活の面接で「最後に何か質問はありますか?」に対する面接官へ「逆質問」はするべき?印象が良い逆質問例と絶対にNGな逆質問とは?
- 面接で受かるサインや合否フラグとは?面接官の言動からわかる合格フラグ(採用)&不合格フラグ(不採用)とは?
つまり、面接の採否は”いかに事前準備をしてきたか”で決まる
ここまで読んできてもらってわかる通り、ほとんどのことは事前に準備しておくことで対処できることばかりです。
面接官に対する回答の仕方なども、事前にしっかりと言いたいことを整理して、回答する内容をいくつか用意しておくことで、十分に対応できることだと言うことです。
回答を用意しておらず、面接のその場になって焦っておかしなことを答えてしまったり、見繕った回答をしなくて済むということは、それだけ気持ちにも余裕ができますし、事前に考えをまとめた回答のほうが言葉にも説得力が出るのは間違いありません。
「書類選考や面接なんて、就活以来だ…」という人も、今となっては基本的なビジネスマナーを忘れてしまっていることも多いかと思いますが、ぜひ面接当日までには改めて社会人としてどう面接に向き合うべきかを考えてみるといいでしょう。
もちろん面接では、IT、WEB業界ならではの質問もされることとなります。
例えばプログラマの場合、自分が使ってきたjavaなどの技術を本質的によく理解しているのかを確認するような質問や、曖昧な案件をどのように工夫して処理するのか?といった内容、ITエンジニアの場合、今後自分の技術をさらに高めていく意思が備わっているのか?担当したプロジェクトをやりきるだけの責任感があるのかを確認するような質問がされたりします。
基本的な回答例だけではなく、自身の職種ならではの質問が来ることも予測しておきましょう。
これらの内容についても、自分のこれまでのキャリアや強みを自己分析やキャリアの棚卸しができていれば、すんなりと答えられるものばかりだと思うので、「まだまだキャリアの整理が足りないな」と感じる人は、再度自己分析をするなどしてみるといいと思います。
また、転職で失敗しないためのポイントについてはこちらのページIT業界で30代、40代でエンジニアの転職は難しい?年齢に限界はある?転職で年収は上がるのかで詳しくまとめていますので、参考にしてください。