企業は、書類選考だけではわかりにくい応募者の熱意や、人間性などについて面接を通じて見極めようとします。
つまり、面接は直接的に採用に大きな影響を与えることになるため、転職を成功させるには面接対策が必須になります。
そこで面接の種類や面接時の注意点、第一印象の重要性、面接に受かる人と落ちる人の違い、さらには転職エージェントを活用した面接対策などについてお伝えします。
目次
面接の種類には何がある?

採用面接というと、数人の面接官の前に1人で座って面接を受ける形式が一般的ですが、面接にもさまざまな種類があることをまずは知っておいてください。
例えば自分がまったく想定していなかった面接形式の指定があった場合に、準備ができていなくて面接当日に焦ってしまい、力を出し切れない可能性があります。
どんな形式の面接であっても、志望動機や自分の強みのアピールなどができるように準備をしておくことが、面接を突破して採用を勝ち取る絶対条件となります。
そこで、基本となる6つの面接形式についてご紹介します。
①個人面接
転職希望者1人と面接官1人~複数人で行う面接形式を、個人面接(個別面接)と言います。
面接官が複数いる場合は、全員の視線を一身に浴びることになり緊張しやすいため、より事前の模擬練習が大切になります。
個人面接でも、面接官の質問に順に答えていく一問一答形式や、面接官との会話の中で評価を決める雑談形式のものもあります。
②集団面接
転職希望者や就職希望社が複数いる中で行われる面接形式で、集団面接のほか、グループ面接と呼ばれることもあります。
面接官も複数おり、1次面接などでよく使われる形式で、多くの転職希望者や就職希望者を効率的に厳選するために行われます。
面接時間中に自分が質問を受ける時間、発言する時間は限られていて、全ての人に同じ質問がされるので、その質問に対してその人がどう回答するのかをその場で比較されます。
③グループディスカッション
転職希望者(就職希望者)数人がグループとなり指定されたテーマなどについて議論をする面接形式です。
この形式もグループ面接と呼ばれることがあり、面接官も複数います。
ただ単純にたくさん発言した人が評価されるのではなく、発言した内容の質や考察力、他人の意見を踏まえてどのように議論のまとめに参加していくかなどが評価されます。
④プレゼンテーション形式
就職希望者(転職希望者)1人が、その他の就職希望者に対して与えられたテーマについて、自分の意見を含めて発表する形式を言います。
プレゼンテーションという名前の通り、いかにわかりやすく解説できるか、専門性のある知識を組み込めているかなども評価されます。
⑤ディベート
あるテーマについて、肯定側(賛成派)と否定側(反対派)に分かれて討論を行う形式の面接です。
賛成であるか反対であるかが重視されるのではなく、いかに自分の意見が正しいということを倫理的に相手に説明できるか、矛盾点がないかなどが評価されます。
⑥グループワーク
だいたい4人から8人などの複数人を1グループとして、そのグループでディスカッションしながら作業をしていく形式のものです。
作業の役割を決めたり、効率的に物事を進められるかなど、共同で作業していく様子から、面接官は応募者の性格や個性などを読み取り、協調性なども評価を左右します。

面接の種類って、こんなにたくさんあったんだね!
自分が経験したことがない形式ばかりで、びっくりしたよ。
面接で高い評価を得たいなら、まずはどんな面接があるのかを知っておくことはとても大切だね。
面接で受かる人と落ちる人の違いって何?

ただでさえ書類選考で落ちることが多くて…
せっかく書類選考は通過したのに、面接にこぎつけてもなかなか採用はしてもらえないんだ…。
これだけ何度も面接に落ちていると、やっぱり僕はダメな人間なのかも知れないと思ってしまうよ…。

確かに自分を責めたくなってしまう気持ちはわかるけど、合格がもらえないからと言ってネガティブになってしまうのが1番ダメなのよ。
面接に受かる人と落ちる人には、どんな違いがあるのかを見てみましょう。
自分に当てはまるところはないか一度振り返ってみることも大切だし、面接が初めての人はどんな風に面接に臨めばいいのかがわかるようになるわ。
面接に受かる人の特徴
①自信に溢れている
企業の採用担当者は、当然ながらこれから自分の会社で活躍していってくれる人を採用したいと思っているわけですから、明らかにタジタジして自信がなさそうな人よりも、自信に満ち溢れ、生き生きとしている人と一緒に働きたいと思うはずです。
もちろん、その自信には根拠がないとしても、面接というのはその人の印象や人柄、雰囲気などから、その人がどんな人なのかを読み取ろうとするので、自信に溢れた姿でいるだけでも、”仕事が出来そうな人だ”とか”やる気がとてもありそうだ”とも感じてもらえるものです。
書類選考では、仕事へのやる気や熱意を文章でしか表現することが出来ないですが、直接向き合って審査が行われる面接は、聞かれたことに答える内容だけではなく、面接に向き合う姿勢や態度などその全てがアピール出来るチャンスなのです。
②第一印象が良い
書類選考を通過して最初の難関が一次面接ですが、一次面接を合格するかどうかは、ほとんどが”第一印象で決まる”と言われています。
人は視覚を通じて得た情報で相手を判断する割合が55%あるといわれており、その他の口調や抑揚、話す速度など音による情報で38%、残りの7%が話の内容にあたる言語情報ということです。

転職サイトdodaによると、採用担当者が面接で重視するポイントについてアンケートを行ったところ、『第一印象』はどの職種でも特に重視されている項目だということがわかります。
(転職サイトdoda採用担当者が面接で見ているのはどこ?より)
職種別に見ても、第一印象というのは面接の合否に深く影響がすることがわかりますよね。
そして第一印象というのは、心理学的には3秒~5秒前後で決まってしまうと言われています。
3秒から5秒前後というと、面接においてはその人の見た目、身だしなみ、表情、挨拶のほか、入室の仕方や着席の仕方などが第一印象を決めると言い換えられます。
さらに厄介なのは、その第一印象というものはその後のその人の印象にも影響してくるということです。
例えばあなたが初めて人に会った場合、最初の印象が悪ければ、その後いくらいいことをしてくれたとしても、なんだかずっと引っかかるなあ…とか、どうしても好きにはなれないな…と感じた経験ってあると思います。
それと同じで、第一印象はその後のその人の評価さえ悪くさせてしまうこともあるので、面接においても少なからず合否に影響していると考えられます。
特に新卒の場合は、中途採用などとは違って他の人と比較できるような仕事のスキルや実績がない状態で面接を受けるわけですから、なおさら第一印象は重要になります。
③質問への受け答えが的確
面接に合格する人は、面接官からの質問への回答が的確で、結論から簡素に話すことが大切です。
質問に対して話した内容が答えになっていなかったり、全く見当違いなことを言ってるようでは、話になりません。
ただ長々しく「結局何が言いたいのか?」と思われてしまったり、終始自分のアピールばかり話すようなケースもあまり高い評価は得られません。
面接官がする質問はある程度決まっており、事前にしっかり確認して答え方を用意しておけば、その場で回答に困ってしどろもどろになったり、うまく答えられなくて適当なことを答えてしまったり…なんてことは十分に避けられることです。
面接官からよく聞かれることは、例えば志望動機や自己PR、自分の長所や短所などです。
次の④の項目にも関係することですが、前もって質問の回答を用意しておき、ハキハキと話せるようにしておきましょう。
④しっかりと事前準備をしている
面接に受かる人は、面接に対して事前にしっかりと準備をしている人です。
実際に採用担当者の中では、「質問の内容が浅い」、「忘れ物をしている」、「経歴を明確に話せない」などの準備不足を感じる人が多く、当然ながら面接官に「この人はあまり準備もしないまま面接に来たんだな…」と思われれば、面接の通過率は下がってしまいます。
面接官からされた質問にいかに自分をアピールし説得力を付けるかは、やはり面接中にその場で整理できるものではありませんし、前もって自己分析やキャリアの棚卸し、企業研究などを入念にして、予測される質問に対しての回答をちゃんと用意しておきましょう。
しっかり準備をした人と、ほとんど準備していない人とでは面接での話し方や態度、姿勢にも表れるものなので、十分注意してもらいたいです。
面接の事前準備についてはこちら転職活動で、面接の前日までにやっておくこと!どんな準備や確認が必要?指定なしの場合など「持ち物チェックリスト」!準備不足は採用率が下がる!のページへどうぞ。
面接に落ちる人の特徴
①自信がないのが態度に現れている
「一体どんな質問がされるんだろう…」とか、「どうせ今回も面接に落ちるんだろうな…」など、不安ばかりがよぎってネガティブなことばかり考えてしまうと、見た目も自信がなさそうな暗い印象になってしまい、結果的には「なんかやる気がなさそうだな…」とか、「本当にうちの会社に入社したいという気持ちはあるのか?」と、熱意ややる気までないように見えてしまいます。
自信がなさそうにモジモジとしている人をわざわざ採用しても、入社した後に会社のために活躍してくれそうだとは思えないですよね。
何度も面接に落ちていたり、自分の過去の経歴やスキルに自信がなかったりすると、「自分なんて採用もされないダメな人間だ」と思ってしまうのもわかりますが、自信のない姿勢や態度はさらに採用から遠ざけてしまうということを覚えておきましょう。
②ビジネスマナーが不足している
ビジネスマナーというのは、社会人としての基本的なスキルであり、仕事経験がない新卒の人であっても、転職先を探している中途採用の人であっても、ある程度の常識を持っているかやルールが守れているかはチェックされる項目です。
例えば、面接の時間に遅刻するのは言語道断ですが、反対に「他の面接希望者の誰よりも早く会場に行って、やる気をアピールしよう!」などと面接開始時間よりも大幅に早く到着しておくのはマナー違反であり、一般的には開始時間の約10分前に受付に到着するのがベターです。
また、スーツではなく普段着のような格好だったり、寝癖がついたままやヒゲが伸び放題だったりと、面接にふさわしくない格好は当然ですがマイナス印象を与えてしまいます。
そのほか、面接室に入るときにはドアを3回ノックし、「お入りください」と言われてから「失礼いたします」とドアを開け、ドアのほうを向いてドアを閉めてから椅子の横まで移動し、そのまま「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。○○と申します。よろしくお願いいたします」などと挨拶と一礼をします。
その後面接官に「お座りください」と言われてから着席するなど、面接マナーについてもしっかりと守れていなければなりません。
大きな声で挨拶をするのはもちろん、不安げな表情ではなく元気な表情を見せて入室することが大切です。
③質問の回答が的外れ
面接官に聞かれたことに対して、質問の意味をあまりわかっておらず全く筋違いな回答をしていたり、答えにくい内容をごまかして答えたりなど、面接官が聞きたいことに的確に答えられないのも、落ちる人に多い特徴です。
自己分析が出来ていなかったり、自分の考えがまとめられていない状態だと、聞かれた質問に対してしっかりと回答することは出来ませんし、「この人ちゃんと人の話聞いてるのかな…」と、会話すらまともに出来ない人だと思われてしまいます。
会話というのは人と接する上で基本中の基本であり、これが出来なければコミュニケーション能力が低いのでは?とか、人の話もよく聞けず協調性のない人だという印象を持たれても仕方ありません。
④事前の準備が十分ではない
受かる人の特徴でも話しましたが、例えば予測される質問への回答や、企業研究など、時間をとって事前にしっかりと準備できるはずのことをしていなかったり、身だしなみや持ち物などもしっかり前持ってチェックできていないと、仕事に対してのやる気や熱意まで疑われてしまいます。
事前準備というのは面接当日のメンタルにも影響することであり、「どんな質問が来ても答えられるぞ!」とか、「企業研究もバッチリだし、積極的に回答できそうだ」と、自信を持って面接が受けられるかどうかも変わっています。

自分にも当てはまるところがいくつもあって、改めて考えさせられたよ。
落ちる人の特徴を少しでもなくせるように、今からしっかり準備し直していこうと思うよ。

こうして見ると、受かる人と落ちる人を分けるポイントはいくつかあるものの、本質的に見てどうしようもならないような違いがあるわけではないことがわかるわよね。
事前の準備次第でどうにかなることばかりだから、諦めずに前向きな姿勢で向き合ってもらいたいわ。
面接に受かるコツや具体的なポイントとは?

面接官に好印象を持たれるようなコツって、どんなことがあるのかな?
やっぱり大切なのは質問に対する回答の内容?
何かコツあれば知りたいな。
面接に受かるための大切なポイントは、受かる人と落ちる人の違いでもお話してきたのでだいたいはわかってもらえていると思いますが、わかりやすく具体的にまとめてみました。
質問への典型的な回答よりも表情や熱意
- 1.自分の意見をしっかり回答
1つ目は、質問に対して面接対策の書籍に載っているような一般的な回答をするのではなく、自分なりの意見をはっきり持って回答することです。
面接官は数多くの転職希望者の面接を行っています。
そのため、一般的・模範的な回答では「またか」と思われてしまい、印象に残らないばかりか悪い印象につながるリスクもあります。
また、自分の意見を構築せず一般的な回答だけ用意して面接に臨むと、さまざまな角度から質問を受けているうちに一貫性を欠いた回答になってしまう場合もあります。
面接に臨む前に、想定質問に対して自分の考えを整理しておく準備が必要です。
その準備ができていれば、想定外の質問に対してもその場で自分の考えをまとめられるようになります。
- 2.表情を意識
2つ目は相手にどのような印象を与えているかを意識して表情に気をつけることです。
緊張するのは問題ありませんが、険しい表情にならないようにしましょう。
- 3.入社意欲のアピール
3つ目は入社したいという熱意をはっきりと示すことです。
文章で書かれた書類から熱意を読み取るのは難しいですが、面接だからこそできるポイントです。
具体的に入社してどうしたいのかを示し、学ぶ意欲があることをアピールすると面接官の印象がよくなる可能性が高いでしょう。

また、面接には一次面接や二次面接、最終面接などがありますが、基本的には一次面接では第一印象やわかりやすい自己PR、熱意ややる気が伝わること、二次面接では面接官の質問に対する的確な回答や入念な企業研究がされているか、最終面接では企業の社長や役員クラスの面接により、一次面接や二次面接でしてきたことが再度しっかり発揮できるか?などがポイントになってきます。
バイトやアルバイトの場合、一次面接や二次面接などはなく、面接は1度だけのケースが多いですが、基本的に面接のコツやポイントは正社員などと同じですので、しっかりチェックしておいてくださいね。
グループ面接・集団面接のコツとは?

就活など、一次面接などに多いグループ面接。
個人面接はしたことがあるけれど、「グループ面接って苦手だな…」という人のために、グループ面接ならではの特徴や対策を紹介しておきます。
- 1.印象に残るアピール
1つは、限られた時間の中で、面接官の印象に残るようなアピールを行うことです。
グループ面接の場合、面接時間の中で自分が発言できる時間は限られています。
そのため、短い時間でアピールをすることが求められます。
自分が話す順番になったからといって別の応募者の時間を奪って長々と話しをするとマイナス評価につながる可能性がありますので、コンパクトにまとめつつ強い印象を残す必要があります。
また、他の人が興味深く強烈な印象が残るエピソードを披露すると、「自分のエピソードは平凡かもしれない」と不安に駆られるかもしれません。
しかし他人の話は興味深いものですので、自分が用意したエピソードも負けず劣らず興味深い話だと自信を持ってアピールすることが大切です。
自己アピールについてはこちら転職活動の面接での自己紹介と自己PR、志望動機!回答の仕方とポイント、NG例は?。
- 2.聞く姿勢
もう1つのポイントは、他の人が話しをしているときの聞く姿勢です。
面接官は他の人の話をどのように聞いているのかも観察しています。
他の転職希望者が話しているときは、話の内容を把握することに集中しましょう。
そうすれば話を聞く姿勢がとれるでしょうし、自分のエピソードと比較してペースが乱されることもなくなるはずです。
グループディスカッションの場合は、相手の話を踏まえて自分の意見を述べることも重要です。
その際、他の人の発言をまったく受け入れず貶める発言はマイナス評価になるので避けるべきです。
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いろいろポイントはわかったよ。
いろんなパターンを想定して、落ち着いて面接に臨みたいね。
でも、企業ごとによって対策とか傾向って変わってくると思うから、そういった情報があるともっと自信が持てるかもしれないな。

そうね、自分だけで対策して面接に受かるのは難しいと感じる人もいるでしょう。
そういった方は、転職エージェントの活用をおすすめします!
転職エージェントは、就職先探しや職務経歴書などの書き方、応募先企業ごとへのアピール方法などについてサポートしてくれます。
また、面接対策についても個別に指導をしてくれます。
転職エージェント会社は、転職における面接対策セミナーなどを主催する場合もあります。
セミナーに参加をしてまずは一般的な面接対策について理解し、その後、転職エージェントに面接の個別指導を受けてみるとよいでしょう。
個別指導では、志望動機の整理や意欲・熱意の効果的なアピール方法、そして受け応えのポイントや事前想定質問とその回答内容に関するアドバイス、さらには服装や面接当日のふるまい方などについて、模擬面接も交えて指導してくれるのが一般的です。
転職者が転職を実現するためには面接のクリアが必要ですので、お伝えしたポイントをしっかり守って面接対策を行ことが大切です。