会社を退職してすぐに新しい会社に転職する人や、とりあえず転職活動に専念する人、失業して無職になった人、次の転職先は決まっているけどしばらく間が空く人など、人によって置かれている状況や立場などはさまざまですよね。

会社を辞めたり仕事が変わったりすると、どうしてもそのことだけで頭がいっぱいになりますし、他のことを考える余裕がなくなってしまいますよね。

例えば退職後にやるべき手続きには、失業保険や国民健康保険、年金、税金などいろいろありますが、しっかりと切り替え手続きをしておかないと将来の年金が少なくなったり、未納や未払いなどの問題が起きてしまいます。

このページでは年金についてを主に取り上げ、公的年金の仕組みや種類など基本的なことから、転職や退職をすることでどんな手続が必要になるのか、手続きを忘れたりした場合どうなるのか、免除や猶予などについて、さらには夫の扶養に入ってる第3号被保険者で夫が退職や転職する場合どうしたらいいのか?などのプラス知識についても解説していきます。

後になって「あの時しっかり確認しておけばよかった」という事態にならないよう、しっかりとチェックしてくださいね!

ちなみに失業保険についてはこちら失業保険、失業給付金の受給条件や期間、金額はどうやって決まる?へ。

国民健康保険についてはこちら退職後にやること!「社会保険・国民健康保険」の切り替え手続き!会社を辞めたらいつまでにする?転職、無職の場合や14日過ぎた後どうする?へどうぞ。



公的年金の役割とは?そもそもどんな制度?

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年金って言われても、いまいちピンと来ないよ。

今さら人になんて聞けないし、調べても難しい言葉ばかりで全然わからなくて…。

まずは年金について詳しく知りたいな。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

日本の「公的年金」と呼ばれるものは(1)国民年金と(2)厚生年金の1つがあって、、働き方により加入するべき年金制度が異なるけれど、日本に住所がある20歳以上60歳未満のすべての人が加入を義務付けられているのよ。

つまり、20歳以上60歳未満の日本に住む人ならば、(1)の国民年金か(2)の厚生年金に加入していなければならないということです。

(1)の国民年金は第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つに分類される、国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入するもので、(2)の厚生年金は会社員や公務員に加入が義務付けられている年金制度です。

ではここからこの2つの年金制度について詳しくお話していきます。

(1)国民年金とは

国民年金とは、日本に住む20歳から60歳未満の人で、厚生年金に加入していない人は必ず加入することが義務となっている年金です。

老齢年金や障害年金、死亡年金などによって基礎年金を受け取ることができるようになっています。

また、国民年金は第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つに分かれています。

  • 第1号被保険者

第1号被保険者とは、自営業の人やフリーランスで働く人、20歳以上の学生、そして失業中の人などで、保険料を自分で収めます。

保険料は定額で決まっており基本は月払いですが、半年、1年、2年の前払い制度があり、前払いすると保険料が安くなります。

  • 第2号被保険者

これは、厚生年金に加入してる会社員や公務員などが該当し、給料から引かれる形で厚生年金を納付しているのが第2号被保険者です。

以前は、公務員等については「共済年金」という別の制度に加入することとなっていましたが、2017年10月から共済年金は厚生年金に一元化されました。

  • 第3号被保険者

第3号被保険者とは、第2号被保険者の配偶者で、20歳から60歳までの人のうち一定の要件を満たす人とされています。

一定の要件とは、年収130万円未満で配偶者の年収の半分未満で被保険者に扶養される立場にあるなど、専業主婦などです。

保険料の本人負担なく、配偶者の加入する年金制度(勤めている会社など)によって納付することとなります。



(2)厚生年金とは

厚生年金とは、厚生年金保険の適用がある会社に勤務する会社員や国家公務員などで、これらは国民年金の第2号被保険者であるとともに、厚生年金の被保険者にも該当します。

国民年金を保険における主契約だとすると、会社員などの場合は厚生年金という特約があって、将来の年金は主契約からの老齢基礎年金だけでなく特約からの老齢厚生年金も受け取れるというイメージになります。

厚生年金保険料には、厚生年金の分だけでなく、自らの国民年金分、さらに第3号被保険者の国民年金分が含まれています。(扶養している場合)

国民年金第2号・第3号被保険者が別途国民年金保険料を支払う必要がないのは、天引きされた保険料のうち、国民年金分については国民年金・厚生年金の制度をまたいで国民年金制度へ送金される仕組みとなっているからです。

つまり簡単に言うと、厚生年金の支払い額の中には国民年金保険料も含まれており、厚生年金に加入したということは国民年金(第2号被保険者)にも加入していることとなるので、将来受け取れる年金は厚生年金と国民年金を合わせたものとなるということです。



これら公的年金の役割とは?

公的年金は、定年退職などで所得獲得能力が減少した老後世代に対する生活保障を行うことが主な役割で、このとき支給されるのが「老齢年金」です。

また、保険料を支払っている被保険者が死亡した場合の遺族の生活保障、本人が障害状態になり生活が大変になった場合の生活保障を行うことも役割の1つで、遺族へ支給されるのは遺族年金、障害については「障害年金」といいます。

それぞれ年額いくらと定められているため「年金」と呼ぶのです。

公的年金は国が運営をしており税金も投入されていますが、保険制度ですのでその制度から利益を受ける本人が保険料を負担することになっています。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

そのため年金を受け取るためには、一定期間保険料を支払っている必要があり、保険料滞納期間が長くなると老後の年金がなくなるだけでなく、遺族年金も障害年金ももらえないということになってしうので注意が必要です。

「国民年金」は、全被保険者期間中保険料を支払った場合の満額が決まっていて原則65歳から支給開始となります。

「厚生年金」は、現役時代の給料やボーナスに対して一定率の保険料を支払い、将来もらう年金は支払った保険料の多さに連動する報酬比例の年金となっています。

厚生年金も原則として65歳から支給開始です。

これら公的年金である国民年金と厚生年金保険との違いがわかりやすく区別されたものが、リクルートの保険チャンネルで紹介されていました。


(リクルート「保険チャンネル」【保存版】国民年金と厚生年金、その違いや注意点まとめより)

年金の切り替え手続きが必要なケースや状況とは?

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失業などで転職活動を行っている場合は、年金について考える余裕がないという人も多いでしょう。

しかし、必要な手続きはしっかりやっておかないと、老後の年金が少なくなって不利になる可能性がありますので注意が必要です。

例えば、会社員の時は国民年金の第2号被保険者、そして厚生年金の被保険者でしたが、会社を退職することによって国民年金第1号被保険者となり、厚生年金の被保険者ではなくなることになります。

これがもし次の会社に転職するまでの期間、つまり脱退から再加入までひと月以上空く場合は、第2号被保険者から第1号被保険者の手続き(厚生年金から国民年金への手続き)が必要となります。

SE 長男SE 長男

なるほど、転職することで年金の切り替え手続きが必要になるケースがあるってことだね。

具体的に、年金の切り替えが必要になるのは、どんな時なのかな。

それと、手続きをどこでするかやどんな手続が必要になるのかも知りたいな。

年金の切り替え手続きが必要になるケース

  • 会社を辞めた時…会社を辞めて個人事業主となったり、無職となる期間がある場合に、厚生年金から国民年金への変更手続きを自分で行う必要があります。
  • 退職日から14日以内に住んでいる地域の市区町村役場にて、免許証などの身分証明書のほか、年金手帳または基礎年金番号通知書、退職証明、離職票など退職日のわかる書類が必要です。
    被保険者である本人のほか、被扶養者がいる場合被扶養者も手続きが必要となります。(これについては詳しくはこの先で解説)
    国民年金に加入する手続きについてはこちら国民年金に加入するための手続きへ。

  • 転職をした時…退職から次の転職まで1ヶ月以上期間があく場合にも、上記と同じ手続きが必要になります。
  • 詳しくはこちら日本年金機構 転職・退職したときの手続きへ。

  • 会社員、または公務員になった時…学生または無職の人や自営業の人が会社に就職したり公務員となった場合、国民年金から厚生年金への変更手続き(第1号被保険者から第2号被保険者)が必要となりますが、手続きは自分で行うのではなく勤務先の会社が行ってくれます。
  • 保険料は給料から天引きとなります。
    詳しくはこちら健康保険(協会けんぽ)・厚生年金保険の資格取得及び配偶者等の手続きへ。

  • 結婚して配偶者が出来た時…会社員で厚生年金(第2号被保険者)だった人が結婚し、その配偶者(妻など)の年間収入が130万円未満の場合、被扶養者・第3号被保険者となり、被扶養者分の保険料の支払いが扶養となります。
  • 手続きは勤務先の会社が行ってくれるので自分で行う必要はありません。

  • 配偶者の年間収入が130万円を越えた時…被扶養者の年間収入が130万円を越えた場合は扶養から外れてしまうため、扶養者は勤務先の会社を通じて被扶養配偶者非該当届を提出し、さらに配偶者は国民年金の手続きまたは勤務先にて厚生年金の手続きが必要となります。

  • パート・アルバイトとして働く時…短時間労働者は、勤務時間や給料によって変わってきます。
  • 詳しくはこちら日本年金機構 適用事業所と被保険者へ。


ちなみに手続きに必要となる年金手帳を紛失した場合には、年金事務所にて再発行を依頼するか、もしくは勤務先の会社を通じて再発行を依頼することで解決します。

転職hacksにわかりやすい画像がありました。

(転職hacks退職で年金はどうなる? 切り替えの手続きが必要なケースとはより)

ここでよくある疑問を紹介します。

夫が転職をして厚生年金に変わりはないものの、第3号被保険者である妻に何か手続きが必要か?
夫が会社を退職して、新しい会社に転職(就職)するまでの期間が1日でもある場合は、妻は第3号被保険者から第1号被保険者への届け出(退職時)、さらには第1号被保険者から第3号被保険者への変更(再就職時)の両方が必要となります。

転職するのに1日も間があかないケースはあまりないと思うので、ほとんどがこれに該当するでしょう。

ただし、退職した月と同じ月に転職した場合は国民年金への切り替え手続きは不要です。

また、その夫については第2号被保険者から第1号被保険者の届け出(退職時)、さらには第1号被保険者から第2号被保険者(再就職時)への届け出が必要となります。


転職の女神 長女 転職の女神 長女

このように転職や退職、就職、結婚、離婚など、働き方の変化や人生のさまざまなステージで年金の切り替え手続きが必要となることがわかりましたね。

しっかりと頭に入れておき、手続き忘れがないように気をつけましょう。



年金の手続き忘れや未納期間、空白期間があるとどうなる?

「自分はしっかり年金は払っているはず」と思っていても、実は調べてみると年金の未納になっている期間があったりすることも少なくありません。

それはだいたいが、ある会社を辞めて他の会社に転職するまでの短い期間など、払っていた厚生年金が途中で途切れ、転職するまでの期間は国民年金になっており、未納のままになっていたりするものです。

ここまでお話してきた通り、そんなつもりはなくとも忘れていたり知らなかったりすることで、年金の未納というのは誰しも起こりうる問題です。

人生で一度も転職をしないという人はほとんどいないと思いますが、前職から新しい会社に転職するまで1日でも間が空く場合には、厚生年金ではなく国民年金の加入となり、それに伴う手続きも必要となります。

ちなみに自分の年金の支払いが過去にどうなっているかは、日本年金機構の「ねんきんネット」にて支払い履歴や未納期間を調べることができます。
日本年金機構 年金記録の確認へ。

ここでは将来受け取れる年金の見込額も調べられるようになっていました。
日本年金機構 年金見込額試算

では、本題ですが、年金の未納がある場合どうなるのでしょうか。

例えば未払いや未納があった場合、老後に受け取る年金の金額が少なくなってしまったり、あるいは障害年金や遺族年金などが受け取れなくなるなど、自分にとって将来困る事態になる可能性が高くなります。

仮に1ヶ月くらいの未納であれば、老後もらえる老齢年金の金額にはあまり大きな影響はないものの、重要なのは障害年金や遺族年金がもらえない場合があるということです。

「もう少し手続きは後でいいかな」と思って先延ばしにしていても、手続き遅れは保険料の納付期間が少なくなり、未納期間が長くなることを意味するので、例え「無職になって支払いが難しい」と思っても放置したりするのは絶対にやめましょう。

また、「未納分の年金を払いたい」と後々思ったとしても、さかのぼって年金を納められるのは最大で過去2年までなので、もし未納があると思ったなら早めに対処しなければ、未納分を支払うことも出来なくなるので注意しましょう。

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年金の保険料については、退職日と入社日のタイミングも影響してくるので注意が必要です。

年金の保険料は納付する月の翌月末に支払う仕組みなので、月の途中で退職したケースと、月末で退職したケースで支払いが変わってきます。

例えば月の途中で退職した場合、月末時点でもうその会社では働いていないことになるので、年金保険料は退職した会社では支払わず、逆に言えば月末に退職した場合は月末時点でまだその会社に所属していることになるので、保険料は退職する会社で支払うこととなります。

具体的には…
ケース(1)3月31日で前職を退職(厚生年金)→4月1日に新しい会社に入社(厚生年金)…3月分の保険料は前職の会社で支払い、4月分は新しい会社で支払う

ケース(2)3月15日で前職を退職→4月1日に新しい会社に入社(厚生年金)…3月の月末時点で前職に所属していないことになるので、3月分の保険料は前職の会社で支払うことにはならない上に、新しい会社は4月1日から入社なので、3月分は厚生年金の保険料を支払っていないこととなり、3月分は国民年金の保険料を支払うことになります。

ちなみにこの場合、年金の計算は1ヶ月単位でされるので、3月15日にやめたとしても支払う金額は1ヶ月分の国民年金の第1号被保険者の料金となります。

ケース(3)3月10日に前職を退職(厚生年金)→3月中に新しい会社に入社(厚生年金)…この場合は月末時点で新しい会社に所属しているため、3月分の保険料は新しい会社で支払います。

退職後、国民年金への切り替えが14日過ぎたらどうなる?

会社を辞めた後すぐに新しい会社に転職しない場合、国民年金への切り替えが必要になります。

この切り替え手続きは、基本的には退職してから14日後までが手続き期限となりますが、例えば前の会社から離職票が届くのが遅くなって手続きができないケースも少なくありません。

お盆や年末年始などの大型連休を挟んでしまったりすると、離職票が受け取れるまでに1ヶ月ほどかかったりすることもあるようです。

退職日の翌日から14日以内に手続きをしなければならない決まりにはなっていますが、実際のところその期間を過ぎてしまったとしても、数ヶ月後に届く催促状を無視してしまわない限り、特に特別なにか罰則があるわけではありません。

罰則が何もないからと言って、手続きが遅れてもいいということではありませんので出来ることなら特別な事情がない限り、なるべく早く手続きを済ませるようにしましょう。

条件次第では免除制度が利用できる?

失業中は、一定の例外を除いて国民年金の第1号被保険者となります。

転職活動をして次の仕事を見つける必要がありますので、アルバイトをする時間は限られますし、雇用保険からの基本手当も失業前の半分程度しかもらえないケースが多いです。

そうなると、第1号被保険者として保険料を支払う資金的な余裕がなくなることもありえます。
老後の備えとなる年金のために保険料を支払ったら現在の生活が成り立たなくなるのであれば本末転倒です。
そうならないために、保険料の免除制度があります。

失業している場合に使える免除制度は2つあります。

  • 1つは通常の保険料免除制度です。

本人や世帯主、配偶者の所得によって保険料の全額免除、4分の3免除、半額免除そして4分の1免除のいずれかが適用されます。
所得については審査があります。
本人が失業していて所得がなくても、世帯主や配偶者の所得が多い場合は適用を受けられないことになります。

  • もう1つは失業等による保険料免除です。

免除内容は1つ目の免除制度とほとんど同じですが、失業に関する書類を提出することで本人の所得審査がなくなります。

配偶者や世帯主の所得審査は必要です。
適用の可能性があるのはどちらかなどについては、ハローワークで確認してみることをおすすめします。
なお、再就職が決まれば第2号被保険者となり、自動的に免除適用が終了します。

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転職するまでの失業中の保険料負担や免除申請は負担に感じるかもしれませんが、しっかり手続きを行うことで将来の年金受給が有利になることを理解して確実に対処しておきましょう。

失業中であっても自分の将来を左右する可能性もある年金制度について、正しく理解して対応しておくことが大切です!