失業すると転職活動で頭がいっぱいになるのが普通でしょう。
そのため、年金の手続きまで頭が回らないという人も多いはずです。

しかし、しっかり手続きをしておかないと将来の年金が少なくなるなど不利になる可能性があります。
そこで、公的年金制度である国民年金と厚生年金について給付の種類、被保険者の種類、免除制度などについてご紹介します。



年金の役割とは?そもそもどんな制度?

公的年金には、全国民共通の国民年金と会社員や公務員などが加入する厚生年金があります。
公的年金制度は国が行っている社会保険制度の1つで、憲法に定められている「国民は文化的で最低限度の生活を営む権利を有する」状態を実現するための制度の1つとして作られたものです。

公的年金は、定年退職などで所得獲得能力が減少した老後世代に対する生活保障を行うことが主な役割です。
このとき支給されるのが老齢年金です。



また、保険料を支払っている被保険者が死亡した場合の遺族の生活保障、本人が障害状態になり生活が大変になった場合の生活保障を行うことも役割です。
遺族へ支給されるのは遺族年金、障害については障害年金といいます。
それぞれ年額いくらと定められているため「年金」と呼ぶのです。

公的年金は国が運営をしていますので税金も投入されていますが、保険制度ですのでその制度から利益を受ける本人が保険料を負担することになっています。

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そのため、年金を受け取るためには、一定期間保険料を支払っている必要があり、保険料滞納期間が長くなると老後の年金がなくなるだけでなく、遺族年金も障害年金ももらえないということになってしまいますので注意が必要です。

国民年金は全被保険者期間中保険料を支払った場合の満額が決まっていて原則65歳から支給開始となります。

厚生年金は現役時代の給料やボーナスに対して一定率の保険料を支払い、将来もらう年金は支払った保険料の多さに連動する報酬比例の年金となっています。
厚生年金も原則として65歳から支給開始です。

国民年金の種類は?第1被保険者、第2被保険者、第3被保険者

国民年金の給付の種類は老齢、遺族、障害の3タイプがありますが、主な被保険者の種類も3つです。
それぞれ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者と呼ばれています。

  • 第1号被保険者は日本に住む20歳以上60歳までの人で第2号被保険者、第3号被保険者以外の人とされています。

具体的には自営業の人とその配偶者、20歳以上の学生そして失業中の人などがここに含まれます。
保険料は定額で決まっており基本は月払いですが、半年、1年、2年の前払い制度があり、前払いすると保険料が安くなります。

  • 第2号被保険者は会社員や公務員等の人が該当します。

以前は公務員等は共済年金という別の制度に加入していましたが統一されました。

第2号被保険者も保険料を支払うことになりますが、厚生年金保険料としての支払いをするだけでよく、国民年金保険料として別途支払う必要はありません。
なお年齢要件はありませんので、18歳で会社員になった、60歳以降も働くという場合も第2号被保険者に該当します。

  • 第3号被保険者は、第2号被保険者の配偶者で20歳から60歳までの人のうち一定の要件を満たす人とされています。

典型的な例としては専業主婦・主夫があげられます。
一定の要件とは、60歳以下であれば年収130万円未満で配偶者の年収の半分未満といった要件です。

第3号被保険者は家計単位でみたときに稼ぎ頭にはならず、収入がゼロというケースも多いです。
そのため、国民年金保険料の本人負担はありません。



厚生年金、共済年金とは?

会社員や国家公務員、地方公務員そして私立学校職員は、国民年金の第2号被保険者であるとともに、厚生年金の被保険者にも該当します。

国民年金を保険における主契約だとすると、会社員などの場合は厚生年金という特約があって、将来の年金は主契約からの老齢基礎年金だけでなく特約からの老齢厚生年金も受け取れるというイメージになります。

厚生年金保険の被保険者は、下限の年齢制限はありませんが、上限は70歳とされています。
70歳までは会社からの給料やボーナスから一定率の厚生年金保険料が天引きされますが、70歳以降は天引きされなくなります。

天引きされる厚生年金保険料には、厚生年金の分だけでなく、自らの国民年金分、さらに第3号被保険者の国民年金分が含まれています。
天引きされた保険料のうち、国民年金分については国民年金・厚生年金の制度をまたいで国民年金制度へ送金されます。

国民年金第2号・第3号被保険者が別途国民年金保険料を支払う必要がないのは、こういった仕組みになっているからです。
また、共済年金は厚生年金に統一されたことはすでに触れましたが、統一された理由は、共済年金の制度の方が企業年金にあたる職域加算など有利な点があり、統一した方がよいとされたためです。

忘れやすい!転職時に起こりやすい年金の未納?原因と対処は?

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失業などで転職活動を行っている場合は、年金について考える余裕がないという人も多いでしょう。

しかし、必要な手続きはしっかりやっておかないと、老後の年金が少なくなって不利になる可能性がありますので注意が必要です。

退職前の会社員の時は国民年金第2号被保険者、厚生年金被保険者でしたが、退職によって国民年金第1号被保険者となり、厚生年金は被保険者ではなくなります。
退職にあたって、厚生年金からの脱退に関する手続きや国民年金の第2号被保険者に該当しなくなった手続きについては会社が対応してくれます。

また、転職後の加入手続きも会社がやってくれます。
しかし、国民年金第1号被保険者に該当する手続きについては誰もやってくれませんので、自ら行う必要があります。



注意すべき点は2つです。

  • 1つは、手続きが遅れるとそれだけ国民年金保険料の未納期間が長くなるということです。

第1号被保険者は第2号、第3号以外の人が該当しますので、会社を辞めた時点で手続きの有無にかかわらず第1号としての被保険者期間はスタートします。

そのため、手続き遅れは保険料の納付開始が遅れ未納期間が長くなることを意味するのです。

  • 2つ目は、第3号被保険者だった配偶者も第1号被保険者になりますので、配偶者分の手続きも忘れないように対応することです。



条件次第では免除制度が利用できる?

失業中は、一定の例外を除いて国民年金の第1号被保険者となります。

転職活動をして次の仕事を見つける必要がありますので、アルバイトをする時間は限られますし、雇用保険からの基本手当も失業前の半分程度しかもらえないケースが多いです。

そうなると、第1号被保険者として保険料を支払う資金的な余裕がなくなることもありえます。
老後の備えとなる年金のために保険料を支払ったら現在の生活が成り立たなくなるのであれば本末転倒です。
そうならないために、保険料の免除制度があります。

失業している場合に使える免除制度は2つあります。

  • 1つは通常の保険料免除制度です。

本人や世帯主、配偶者の所得によって保険料の全額免除、4分の3免除、半額免除そして4分の1免除のいずれかが適用されます。
所得については審査があります。
本人が失業していて所得がなくても、世帯主や配偶者の所得が多い場合は適用を受けられないことになります。

  • もう1つは失業等による保険料免除です。

免除内容は1つ目の免除制度とほとんど同じですが、失業に関する書類を提出することで本人の所得審査がなくなります。

配偶者や世帯主の所得審査は必要です。
適用の可能性があるのはどちらかなどについては、ハローワークで確認してみることをおすすめします。
なお、再就職が決まれば第2号被保険者となり、自動的に免除適用が終了します。

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転職するまでの失業中の保険料負担や免除申請は負担に感じるかもしれませんが、しっかり手続きを行うことで将来の年金受給が有利になることを理解して確実に対処しておきましょう。

失業中であっても自分の将来を左右する可能性もある年金制度について、正しく理解して対応しておくことが大切です!