今の会社で働いていると、仕事内容ややりがい、勤務時間・残業時間、人間関係、給与など、転職したくなることは誰にでもあるでしょう。

一度そう思い始めてしまうと、もう会社を辞めることしか頭になくなり、「この会社さえ辞めれば楽になる」とか「早くこんな会社から解放されたい」と思ってしまうなど、転職することのメリットにだけ目がいきやすくなってしまいます。

もちろん、世の中にはブラック企業のような会社も多く、残る価値のない会社でいつまでも頑張っていても無駄なケースもあり、特に悪質な勤務状態や人間関係の問題などは、転職することで解決することもたくさんあります。

しかし、もう転職することしか頭にないような状態で、安易に転職してしまうとこの先後悔することになるかもしれません。

「転職したい」と思ったときには、その時の勢いですぐさま会社を辞めないで、転職しないで会社に残る場合のメリットも考えて、総合的に判断することが大切です。

そこで今回は、今の会社を辞めないで続けるメリットについてご紹介します。



今の時代、転職は珍しくない!ただし勢いに任せた転職は危険

一昔前は、仕事というものは一度就職したら転職なんてしないで、定年まで同じ会社に勤め上げるのが最もベターだと思われてきましたし、社会の常識としてもそういった考え方が浸透していました。

しかし、最近では転職をしたことがある人は特に珍しいことでもなく、むしろスキルアップやキャリアアップのための転職ならば当然のキャリアとして受け入れられるようになってきました。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

私が独自に調査したアンケートでは、「今まで転職を経験したことがある」と回答した人は、全体の7割以上にものぼりました。



(詳しくは「今まで転職したことはある?」仕事を変えたいと思ったことはあるのかみんなに聞いてみました!へ)

また、実際に厚生労働省が調査した最新のデータでも、令和元年の上半期だけでも約460万人の人が離職しているという結果が出ていました。


(厚生労働省入職と離職の推移より)

また、令和元年だけではなく10年以上前の平成18年からの推移を見ても、入職者・離職者ともに常に一定の人数がいることがわかります。


(厚生労働省入職と離職の推移より)

このように、どの時代でも仕事を辞める人、転職して新たな会社に入社する人が存在し、会社を辞めたいと思うことも会社を辞めることも、全く特別なことでも珍しいことでもないということです。

もちろん、仕事を辞めたいと思う理由や原因については、その人それぞれさまざまな理由があると思います。

例えば最初にお話した通り、給料の低さや仕事のやりがいのなさ、会社の将来性が不安、人間関係の悪さ、勤務時間や残業時間の多さなど、どれも「わかるわかる…」と頷きたくなるようなことばかりで、私にも経験があります。

仕事を辞める理由や本音についてはこちら仕事を辞めたい!転職したい!みんなの本音の退職理由と建前の退職理由ランキング!辞める理由を会社にはどう伝えた?嘘を言うのはアリ?ナシ?引き止められにくい伝え方とは!のページで詳しくお話しています。

人によっては、今まで数ヶ月以上、数年以上もの長い間ずっと我慢してきて、「もうそろそろ限界だな…」と感じている人もいれば、この場の怒りややりきれない気持ちの勢いで「辞めてやる!」となってしまっている人もいると思います。

もちろん、みなさんが抱えている問題の多くは、会社を辞めることで解決できることも多いですが、ちょっと一息ついてみて、会社を辞めないことによるメリットについても考えてみましょう。

1つの会社に長く務めるメリットとは?

メリット①仕事のやりやすさ

人は転職してしまうと、仕事のやり方や方針などさまざまなことが大きく変わるのが一般的で、たとえ同じ業界や職種に転職しても、具体的な仕事の進め方はその企業ごとによって変わることが考えられます。

そのため、その企業に合わせた仕事のやり方など、新たに覚えなければならないことが増える上に、その職場環境にもなじんでいく必要があります。

落ち着いて仕事ができるようになるまでには当然時間がかかったり、人によっては「仕事がしにくい」と感じたりすることも多いでしょう。

転職しなければ、慣れた仕事をそのまま続けられますし、なじみの職場環境なので新たに余計な気を使う必要もなく、会社でのルールやシステムもすでに覚えているので、わざわざ確認せずに自分なりに仕事を進めることができますよね。

このような仕事のしやすさは、長く働いてきたことで得られたメリットであり、特に工夫して仕事の効率化に取り組んできた人は、このメリットはとても大きいでしょう。

今あなたが自分のスキルを活かせているのは今の会社だからこそであり、今の会社でしか通用しないことかもしれません。



また、会社のブランド力や技術力、設備などのおかげで、スムーズに行えている業務がある場合、転職すると今の会社のリソース(資源や財力)を使用できなくなってしまいます。

転職先に今の会社と同等のリソースがあるとは限らないため、今の会社と同じ仕事内容であっても、今までの仕事が簡単には行えなくなる可能性があります。

たとえば新規顧客の獲得が得意だと思っていても、それは今の会社のブランド力のおかげという可能性もあり、あなたが気付いていないだけで、仕事がやりやすい境遇で働いけているのかもしれません。

その恩恵を受け続けたいなら、転職しないという選択肢についても検討したほうが良いでしょう。

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ただし、職場の人間関係やトラブルなどの問題で、そもそも今の仕事自体がやりにくくなってしまっているなら、今の会社をこのまま続けるメリットはないと思います。

人によっては、転職することで今より仕事がやりやすくなる人がいるのも事実ですね!


メリット②今の会社での地位や評価を継続出来る

1つの会社で長く働き続けることで上司や同僚からの信頼が厚くなっていき、一般的には自然と地位が高くなっていく傾向にあります。

特に目立った成果がない人の場合でも、実直にただ長い間働き続けることで周囲から高い評価を得られることが少なくなく、もちろんそれは人事的な評価に反映されるケースもあります。

その場合は、課長や部長といった具体的な地位を得ることになるでしょう。

しかしたとえ出世しなくても、ただ会社に長く残ることでベテラン的な立場となり、職場の人間関係において一目置かれる地位を確立して快適に過ごしている人も多く、そのような地位や評価も長く働くことによって築ける自分の財産といえます。



しかし、転職すると長く働くことによって得てきた信頼感はリセットされてしまい、人間関係における地位や、周囲からの評価を1から築き直さなければなりません。

即戦力として期待されている転職者は、目立った成果を出していかないと評価されにくい傾向にあり、転職先で長く働いている同年代の社員と、同じ地位や評価を得ることは簡単ではないでしょう。

今の会社を辞めなければ、これまで獲得した地位や人からの評価を手放さずに済むことになります。

今の会社でそうした自分の居場所の確立を頑張ってきた人ほど、積み上げてきたものをリセットしなければならないことに躊躇するでしょう。

そのほか勤続年数が長いことは社会的信用にも繋がりやすく、例えば住宅ローンなどの借り入れの時などにも有利に働くことが多いという利点もあります。

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企業によっては、転職後の役職を指定して募集を行っているところも多いので、転職しても今の会社と同等の役職に就ける可能性は十分にあります。

現在の役職、またはそれ以上の役職に就けるかどうかは、転職時の面談や内定次第になりますね。

転職することによって、今よりも昇格しキャリアアップ出来た人も多いですよ。


メリット③年金や退職金が有利

会社にもよりますが、多くの場合は年金や退職金に関する制度があり、これらは勤続年数が長いほうが、受け取れる金額も大きくなるのが一般的です。

そのため転職すると、金額が下がってしまうケースがよくあります。

年金は国が運営している制度なので、転職しても影響しないと考えている人もいると思いますが、しかし実際には、さまざまな原因で影響が生じることがあります。

たとえば、転職したときに加入漏れがあるケースもあり、あまり中途採用を行っていない企業の場合は注意したほうが良いでしょう。



また転職先が決まる前に退職した場合、未納期間が生じることも考えられ、そのような場合、将来的に支給される年金の金額が下がってしまう可能性があるのです。

さらに、退職金は転職によって大きな影響を受けることが多く、年金と違って退職金の制度は企業によって異なります。

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しかし勤続年数をベースに計算するという点は、多くの企業において共通しています。

勤続年数が少ないと支給されない企業や、一定以上の勤続年数になると金額が大きくなる企業も珍しくありません。


もちろん転職すると、勤続年数のカウントは最初からやり直しとなりますが、今の企業で働き続ければ、年金に未納期間ができることはありません。

退職金の計算で使う勤続年数のカウントも引き続き伸ばすことができます。

有給休暇などについても、勤続年数によって何日取得できるかが変わってくることや、一定期間以上の勤続年数がないと有給自体取れないことも多いです。

メリット④収入面での安定

現代社会の企業は、仕事の結果によって給与を決める成果主義を取り入れるところが増えており、その影響により、若手社員であっても大きく昇給するチャンスが増えたといわれています。

ずっと成果を出し続けている場合は収入が安定しているでしょう。

また実際には年功序列の風潮が残っている企業も多く、毎年少しずつでも昇給していくのが一般的で、そのため、やはり1つの企業で長く働いていると収入は安定しやすい傾向といえます。



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多くの人にとって働く目的は収入を得ることなので、収入が安定することは大きなメリットだよね。

ただし、働き続ければ続けるほど、無制限に給与が上がっていくわけではないから注意が必要だね。


役職ごとに上限があったり、欠勤が多いと降給になったりすることもありますが、長く働いていると、今後の働き方によって給与がどのように推移していくのかを予想できます。

これまでの傾向や、先輩社員の話などが参考になり、そのため収入を安定させる見通しも立てやすいです。

たとえば結婚や住宅購入などで支出が増える時期までに、昇進試験を受けるといった計画も考えやすいでしょう。

しかし転職すると、このような見通しは立てにくくなり、転職時に給与に関する取り決めはありますが、多くの場合は初任給についてです。

今後どのように変化していくかを予想するのは難しく、収入を安定させられるとは限りません。

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私が見てきた転職者のみなさんの中には、10年勤務しても給与額がほぼ初任給のまま変わらなかった人もいました。

お給料が上がるかどうかは、もちろん本人の能力にもよりますが、長く働いていれば給料が上がるというわけではないので、現在の職場で今後の収入UPが見込めるかどうかは見極めなくてはいけませんね。


我慢して会社に残ることによるデメリットも。大切なのは勤続年数ではない

会社に残ることには、デメリットがあることも忘れてはいけません。

大切なのは勤続年数が長いことではないのです。

我慢して働いていると、次第にやりがいを感じられなくなってきて不満がたまってくると考えられ、毎日が同じような繰り返しになり、常に転職へのあこがれを抱きながら働くことになるになるかもしれません。

不満が大きいのに我慢し続けると、精神が不安定な状態になりやすく、その結果プライベートも楽しく過ごせなくなる可能性があります。

そのような場合は、いくら収入が変わらず安定していても幸せとは言えないでしょう。

つまり、変化を恐れてただ今の会社で耐えているだけでは、今あるあなたの悩みや不満は何1つ解決されない可能性が高いということは、大きなデメリットではないでしょうか。

やりがいのある仕事を求めて、転職を検討するのは適切な判断であると考えられます。



また勤続年数ばかりが増えて、スキルや知識が増えていない場合も問題です。

ひとつの仕事を長く担当していると、その会社でしか通用しない人間になってしまう恐れがあり、現代は大企業でも倒産したりリストラしたりする時代ですし、今はとりあえず転職しないつもりでも定年までずっと働き続けられる保証はありませんよね。

自分がもし今後なにかのキッカケで今の企業を離れることになった場合、単なる勤続年数しか実績がなければ、現状と同等またはそれ以上の好条件の会社に再就職するのは難しいでしょう。

そのため、スキルを磨くことやキャリアを積むのが難しい場合は、今の会社で働き続けることが得策とは限らないと言えるのではないでしょうか。

中には、何年、何十年と同じ会社で働いていても、微々たる金額しか昇給していないような会社もありますし、トータルで見るとしっかりと昇給制度が整っている会社に今から転職しておいたほうが、先々もらえる給料は多いケースもあるでしょう。

また、1つの会社でずっと働き続けることは悪いことではないですが、その会社しか知らない場合、比較対象がなく良いことも悪い点も判断しようがなく、自ずと視野が狭くなってしまうという点も覚えておきましょう。

例えば今の会社ではほぼ残業代がつかないで毎日残業するのが当然だったのが、他の会社では基本的には残業はナシであったとしてもしっかりと残業代がもらえたり、職場でいろんな人がお互いに悪口を言い合ったり嫌な雰囲気の中働いたいたことが一歩外に出てみると社員みんなが笑顔で楽しそうに働いている光景を見ることになるかもしれません。

変わらないことが悪いことではありませんが、今の会社の基準やルール、働き方が全てではないことを覚えておいてくださいね。

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このようなデメリットがあることも認識しておくことが大切です。

ぜひ今回紹介した転職しないメリットも参考にして、転職するかどうかを慎重に検討してみてはいかがでしょうか?


最後にはなりましたが、転職活動を検討している場合、このページなどを読んでいただき、「よし!転職しよう!」と決心した場合でも、すぐに今の会社を辞めて無職になるのはおすすめできません。

今すぐ会社を辞めてしまいたい場合でも、パワハラやセクハラなど今すぐ退職したほうがいいケースを除いて、まずは次の転職先をしっかりと決めた上で仕事を辞めるほうが得策です。

つまり、転職活動は仕事を辞めてからではなく、働きながら始めておいたほうが後々自分にとって損しないことのほうが多いのです。

これについては、こちらのページ有利な転職活動は働きながら(在職中)?辞めてから(退職後)?メリット&デメリット!会社にバレる?在職中の退職日や入社日の答え方、企業の印象は?で詳しくお話していますので、読んでみてください。