失業中に受け取れる失業保険については多くの方が知っているでしょうが、再就職できたときに支給される再就職手当については知らない方も多いかもしれません。

失業してしまったら失業保険をすべて支給してもらった後に就職活動をすればいい、というのは勘違いです。
ここでは再就職手当の概要、手続きなどについてご説明します。



再就職手当とはどんなもの?受け取るための条件とは?

転職の女神 長女 転職の女神 長女

「再就職手当」とは、失業してしまった人が一定の条件を満たして就職した場合や、事業主となった場合に国から受け取れる“ご祝儀”のことです。

再就職手当は、失業者に就職活動を早く&積極的に行ってもらうことが目的なので、支給されるためには失業後一定期間内に就職することが必要とされています。

具体的には、就業した前日において基本手当(失業保険)の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上でなければなりません(例として、離職理由が倒産・解雇であって所定給付日数が90日である場合には、基本手当を30日以上受け取れる状況で手続きを済まさなければなりません)。

また、再就職手当の支給を目的に退職・就職をしないように、長期間働ける仕事を新たに見つけたことが必要です。



つまり、元の事業主に再び雇われたものではないことや、失業保険の手続きをする前に雇われることが約束されていないこと、1年以上雇用されることが確実と予想される職業に就いたことが支給の要件となっています。

後述するようにアルバイトや派遣社員でも再就職手当を受け取れますが、たとえば1年のうち繁忙期だけ勤務することが契約条件となっている場合には再就職手当を受け取れません。

ここにいう1年以上働けるか否かは見込みで構いませんが、過去3年以内に再就職手当を受け取ったことのある人は再び再就職手当を受け取ることはできません
そのほかにも7日間の待機期間満了日後の就職等であること等の条件が課されていますので、手続きの際には厚生労働省やハローワークのホームページで確認してください。

再就職手当の計算方法

再就職手当として受け取れるのは、支給残日数に基本手当日額をかけた金額のうち一定割合(給付率)に相当する額です(1円未満の端数は切り捨てとなります)。
基本手当日額や支給残日数は、雇用保険受領資格者証をみれば確認することができます。

  • 基本手当の支給額は、退職直前の6か月間の平均給与及び退職時の年齢から定まります。

総じて失業前の給与が高い人ほど基本手当の額も高くなりますが、上限・下限が設けられているため、支給額に大きな差は生じない仕組みとなっています。

上限額は「毎月勤労統計」の平均給与額により改訂され、平成28年8月1日から平成29年7月31日までの上限は、60歳未満5805円、60歳以上65歳未満4707円でした。

給付率に関して、2017年1月、厚生労働省は長期失業者を減らすため、より早期に再就職した人を対象に1割増やすことにしました。
つまり従来、所定給付日数の3分の2以上残して就職した場合の給付率は6割、それ未満であった場合には5割の給付率でした。

これに対して、就職日が平成29年1月1日以降である場合には、それぞれ7割、6割に相当する金額が支給されるようになりました。
このように早く再就職を決めた人ほどより多くの再就職手当を受け取ることができます。

  • たとえば基本手当日額が4000円、所定給付日数120日のうち80日を残して再就職した場合(受給者は60歳未満)には、22万4000円の再就職手当を受け取ることができます(4000×80×0.7)。

もしこのケースにおいて80日就職せずに失業保険を受け取ったならば、32万円受け取ることができます(4000×80)。

一見失業保険を満額受け取った方が良いように思えるかもしれませんが、就職した場合には給与も受け取れるので、再就職手当を受け取った方がお得といえるでしょう。



再就職手当の手続方法は?必要なものは何?

まず新たな勤務先から「採用証明」を受け取って、ハローワークに提出します。
ハローワークで再就職手当の申請に必要な「再就職手当支給申請書」または「常用就職支度手当支給申請書」を受け取って、本人記載欄を記載して、勤務先の事業主にも必要事項を記入してもらいましょう。

記入後「受給資格者証」を添えてハローワークに提出すると、再就職手当を受け取れるようになります。
平日勤務している方などは、郵送でハローワークに提出すると良いでしょう(この場合、返信用封筒が必要です)。

採用日から1か月以内に提出しなければ受給できなくなりますので、気を付けてください。
そのほか状況によって、再就職手当調査書や出勤簿、タイムカードの写しなどの提出が求められることもあります。

勤務を開始したばかりの1か月間は何かと忙しくなると予想されますので、期限を過ぎてしまわないように早め早めの行動を意識しましょう。

再就職手当支給申請書を提出した約1か月後、実際に勤務しているかどうか、雇用保険に加入しているかなどの調査が開始されます。
調査が終わると支給決定通知書が届き、特に問題がなければ1週間ほどで指定した口座にお金が振り込まれます。

万一、再就職手当支給後に離職してしまった場合には、再就職手当分を除く残日数分を受給できる可能性がありますので、ハローワークに相談してみてください。

アルバイトでも再就職手当はもらえるのか?

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正社員での良い求人案件に出会うことができないことや、家庭等の状況でフルタイムの勤務が難しいこともあるでしょう。

アルバイトやパート、派遣社員であっても就職の時点で1年以上継続して勤務する見込みが高く、雇用保険に加入している場合には、再就職手当を受け取ることができます。

勤続の見込みについては就職先に証明してもらうことになります。
アルバイトやパートで勤務を開始する場合、再就職手当の支給条件を満たすか否かについてあらかじめ確認しておいた方がトラブルを避けられるでしょう。

もし1年継続して勤務する見込みのない場合には、再就職手当ではなく就業手当を支給してもらえる可能性があります。
長期勤務の見込み以外の点では再就職手当の場合とほぼ同様の要件を満たす必要があり、就職手当はいわばアルバイト・パート版の再就職手当です。

再就職手当は、就業手当と何が違う?

就業手当の支給額は基本手当日額の3割にしかすぎませんので、最大約7割受け取れる再就職手当の方が受給者の生活支援には大いに役立つでしょう。

また、再就職手当では、平成28年8月1日から平成29年7月31日までの60歳以上65歳未満の上限が4707円なのに対して、就業手当の上限は1741円です。
このように再就職手当と就業手当ではその額が大きく異なります。

アルバイトやパートなどの勤務形態についても一定程度保証されていますが、制度上は正社員としての勤務が求められているといえるでしょう。

  • そのほか再就職手当同様に、失業者の就職を促進する制度として就業促進定着手当や常用就職支度手当があります。

就業促進定着手当は6か月以上勤務した再就職手当の受給者の賃金が離職前の賃金よりも低かった場合に受け取れる手当です。

常用就職支度手当は高年齢受給資格者や障害のある方などが安定した職業に就いたときに受け取れる手当です。
これらの支給条件を満たす場合には、忘れずに手続きをしましょう。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

突然仕事を失ってしまうと途方に暮れてしまうかもしれません。
それでも前に踏み出そうとしている方のために再就職手当などの制度が用意されていますので、しっかりと活用しましょう。

何か疑問点がある場合には、ハローワークの給付窓口で相談してみるといいですよ♪