介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険を利用する人と介護保険サービスをつなぐ役割をもっている重要な存在です。

未経験、無資格でも働き始めることができる介護職ですが、現在介護の業界で働いていて、今後将来的にケアマネジャーの資格を取得したいと考えている人はとても多いです。

高齢化社会に必要とされている介護職は、何歳になっても転職しやすく、資格を取得しておくことでさらに就職や転職で有利に働くでしょう。

そこでこのページでは、ケアマネジャーとはどんな仕事内容なのか、活躍できる職場、給与、さらには介護支援専門員の試験概要や受験資格、合格難易度などについてもお話していきます。



介護支援専門員(ケアマネジャー)の仕事内容

まずはじめに、いろいろ調べていると介護支援専門員は「ケアマネージャー」と呼ばれていることと「ケアマネジャー」と呼ばれている場合があります。

どちらが正しいのかと言うと、はっきりとどちらの呼び方が正解だと言う記載はないものの、厚生労働省の介護支援専門員について書かれているページなどでは「ケアマネジャー」と表記されているので、こちらの表記が厳密には正しいものだと考えられます。


(厚生労働省介護支援専門員より)

というわけで、このページでもケアマネージャーではなくケアマネジャーとして解説を進めていきます。

介護士 次女介護士 次女

やはり介護業界で働いていると、さまざまな資格を取得してさらに自分のスキルを磨き上げていきたいと思うものよね。

なかでも介護支援専門員は介護職のキャリアアップの目標点として目指す人が多いですよ。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

介護支援専門員は未経験・無資格で挑戦できる資格ではないので、介護職である程度積んだ人しか取得できません。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の仕事内容は、「利用者やその家族の相談業務」「ケアプランの作成業務」「要介護認定の書類作成を代行する業務」などさまざまです。

介護支援専門員とは、介護保険法の中では次のように定義されています。

「要介護者または要支援者(以下「要介護者等」という。)からの相談に応じ、要介護者等がその心身の状況等に応じ適切なサービスを利用できるよう、市区町村、サービス事業者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識および技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたもの」
(一般社団法人日本介護支援専門員協会介護支援専門員とはより)


では、仕事内容を詳しく見ていきましょう。

ケアマネジャーの仕事は、介護サービスを受けたいという利用者の相談から始まります。

依頼はご本人や家族、地域包括支援センターなどから連絡があり、最初の面談ではケアマネジャーの役割を説明し、利用者や家族の要望や悩みを汲み取っていきます。

適切なサービスを行うために、かかりつけの病院との連携やすでに介護サービスを利用している場合には、主治医や他の事業所から情報を入手することも必要です。

また、関係者が集まって支援の方法や意見交換をする「サービス担当者会議」をセッティングするのも、ケアマネジャーの役割となっています。

「新規で介護サービスを利用したい」「病気を患ってしまい、これまでよりも介護に手がかかるようになった」といった場合には、自治体に対して要介護認定の手続きが必要となってきます。

この要介護認定を受けることによって、介護保険からの給付を受けられるようになります。

ただ、利用者や家族が書類を作るには専門的な知識が必要となるため、ケアプランと呼ばれる書類作成を代行するのもケアマネジャーの役割です。



ケアプランの作成業務は、どの介護サービスを利用するかといったことを取りまとめたプランのことで、利用者や家族の要望や状況に合わせて、必要な支援を考えていきます。

ケアプランの作成は、ケアマネジャーの業務の中で中核的な仕事だと言え、利用者だけではなく介護サービスを行う事業所にも配布されるものであるため、分かりやすく丁寧に取りまとめていく必要があります。

利用者や家族にプランを確認してもらい、同意が得られればサインと捺印をもらいます。

このように、ケアマネジャーは利用者の意向を尊重しつつ、どの事業者を選定するのか決めていきます。

つまり、介護支援専門員の仕事をわかりやすくまとめると…

  • アセスメント(課題分析)
  • 要介護認定の申請代行
  • ケアプランの作成(介護サービス計画)
  • サービス事業者と利用者との調整、仲介

ということです。

さらにこの仕事内容は、施設ケアマネとして働くのか居宅ケアマネとして働くのか、どちらの働き方をするのかでも少し変わってきます。

では、次はこの施設ケアマネと居宅ケアマネの違いについてお話します。

ケアマネジャーが活躍出来る職場は?

転職の女神 長女 転職の女神 長女

ケアマネジャーが活躍できる職場は、在宅介護を必要とする方のケアプラン作成や支援を行う「居宅介護支援事業所」か、特別養護老人ホームなどの介護施設で働く場合とに分かれます。

それぞれの職場で行なう業務にそれほど差はありませんが、職場ごとの仕事内容の違いについて見ていきましょう!

居宅ケアマネジャー

居宅介護支援事業所で働く場合には、「居宅ケアマネ」と呼ばれています。

訪問介護の依頼やケアプラン作成、デイサービスなどの通所介護の紹介といった業務を担い、サービス事業者との連絡や調整を担当します。

初めてケアマネジャーとして働く場合には、大規模な事業所で働くことを考えてみるといいでしょう。
他のケアマネジャーから学ぶことができるため、安心してスキルを磨いていくことができます。
また、小規模な事業所はケアマネジャーが少ないため、アットホームな雰囲気で働けるといった特徴があります。

デイサービスについてはこちらケアハウス、小規模多機能型居宅介護、ショートステイ、デイサービス(通所介護)などの仕事内容と特徴は?

わかりやすい図が厚生労働省の資料にありました。

(厚生労働省 介護支援専門員(1)居宅における業務より)

特別養護老人ホームなどの介護施設で働くケアマネジャーを「施設ケアマネ」と呼びます。

入所者のケアプランの作成がメインの業務となり、居宅ケアマネと違って、訪問介護の依頼や通所介護の紹介といった業務は必要ありません。

ただ、居宅ケアマネと違って利用者の送迎や施設行事への参加など、ケアマネジメント以外の業務を受け持つこともあることを念頭に置いておきましょう。

特別養護老人ホームについてはこちら有料老人ホーム、特養、老健、グループホーム、サ高住など働く場所の種類と特徴!仕事内容は?

こちらも、厚生労働省による資料を参考に載せておきます。

(厚生労働省 介護支援専門員(2)施設などにおける業務より)

介護士 次女介護士 次女

この2つの大きな違いは”担当する件数”で、居宅ケアマネは多くても30件前後ですが、施設ケアマネの場合多いと100件以上になることもあります。

施設ケアマネよりも居宅ケアマネのほうがケアプランの提案の幅も広く、よりケアマネとしての知識や経験が求められることになります。


介護支援専門員ケアマネジャー)の平均給与・年収は?

平成25年度賃金構造基本統計調査(厚生労働省)の結果によると、ケアマネジャーとして勤務している人の平均年齢は47.5歳であり、勤続年数は8.3年となっています。

この場合の毎月の平均給与は258,900円、平均年収は3,665,600円となっています。

ケアマネジャーとして8年ぐらいの経験がある人は、25~26万円の給与が平均となり、事業所の規模や勤務する地域などによっても変化はあるものの、経験を重ねていくことによって、福祉系の職業の中では高い部類に入るといえるでしょう。

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ケアマネジャーの仕事は女性の割合が圧倒的に高く、女性の仕事としては他の業界と比べてもかなりの高めの収入だといえます。

高い収入であるため、それだけ担う業務も広範囲にわたりますが、多くの人から頼りにされるやりがいのある仕事だといえます!

介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには?必要な資格は?

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介護支援専門員(ケアマネジャー)になるためには、医師・看護師・社会福祉士・介護福祉士などの実務経験が5年以上かつ900日以上の勤務日数であることが必要です。

さらに「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、介護支援専門員実務研修の課程を修了することでケアマネジャーとなることができます。

介護士 次女介護士 次女

私もいつか、ケアマネジャーになれたらなぁ。

簡単になれるものではないからこそ、頑張り甲斐があるよね。

私も今後のために、資格などについて詳しく知りたいな。

介護支援専門員は、平成9年12月に急激な高齢化や家族形態の変化によって、ますます社会全体で介護を支えていく仕組みが求められてきたことにより制定されました。

さらには、高齢者の自立支援を基本理念として、新介護システムとして高齢者の生活の質の向上を目指し、どんな介護サービスが必要とされているのかを1人1人の利用者の立場に立って把握し、「ケアプラン(介護支援サービス)」を策定して実行することとなりました。

受験資格

受験資格は最初にお話した通り、まずは医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作 業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語 聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理 栄養士)、精神保健福祉士などの国家資格を持っており、5年以上かつ900日以上の実務経験がある人、もしくは生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員事務従事者に基づく業務を通算して5年以上かつ900日以上ある人です。

2017年までは、介護職員初任者研修の資格所有者や無資格者であっても、介護業務の経験年数によって受験資格を得ることが出来ていましたが、2018年からは介護福祉士以外の介護職要件が除外されましたので注意してください。

試験日と合格率、合格ライン

ケアマネの試験である介護支援専門員実務研修試験は、毎年1回、10月の日曜に開催されており、勤務地または居住する都道府県での受験となります。

介護支援専門員実務研修受講試験は、ほとんどの都道府県がマークシート試験を実施しており、合格ラインは各分野において70%以上の正答率とされています。

介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表は毎年12月頃で、2018年の受験者は49,333名、合格者は4,990名で、合格率は2018年度は10.1%となっています。

第1回(平成10年度)の試験では合格率が44.1%であったものの、介護サービスへの需要の高まりによって、年々試験の難易度が高まる傾向にあると言われています。

なお第1回からの合格者数は約70万人程度となっており、全国のあらゆる地域で活躍をしています。

介護支援専門員の合格者を職種別に見ていくと、約4割が「介護福祉士」となっています。

次に多いのが「看護師、准看護師」で2割程度、3番目が「相談援助業務従事者・介護等業務従事者」で1割程度となっており、介護支援専門員の仕事は、「介護福祉士」 「看護師、准看護師」の資格を保有している人で全体の7割近くを占めていることになります。

つまり、介護支援専門員は介護業界だけではなく、保健医療や福祉の現場でも求められている資格ということになります。

介護福祉士についてはこちら介護士と介護福祉士とは?違いと必要な資格、仕事内容、給料について

試験問題については、過去問題が公開されているので、しっかりと勉強し対策しておかなければなりません。

試験問題についてはこちらのページ↓へ。
公益財団法人社会福祉振興・試験センター第22回介護支援専門員実務研修受講試験問題

最初にお話したとおり、試験に合格してすぐにケアマネになれるわけではなく、合格後に「介護支援専門員実務研修」を87時間受けたのち、各都道府県に登録申請して介護支援専門員証が交付されて初めてケアマネとして従事することができます。

ケアマネジャーの転職で注意することとは?

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ケアマネジャーは多くの介護現場で必要とされる職業であるため、転職に関してはそれほど苦労をすることはありません

選り好みをしなければ、仕事が見つからないといったことはほとんどないため、今の職場を変えたいと思った時には決断がつきやすいでしょう。

特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護付き有料老人ホーム・小規模多機能事業所・グループホームなど多くの場所で求められているため、自分に合った働き方ができるのが魅力だといえます。

介護士のように勤務時間が不規則といったこともないため、年齢を重ねても続けていくことができます。
経験を重ねることで、よりきめ細やかな相談業務を行うことができるため、いくつになってもやりがいを感じられるでしょう。



ただ、ケアマネジャーに転職をするデメリットもあります。

  • 1つは、高収入でどこからも引く手あまたな職種であるため、地域によっては供給過多になってしまっている部分もあります。

介護士として経験を積んでケアマネジャーになった人でも、どこも人手が足りているため、これまで通りで働かざるを得なかったという場面もあるでしょう。

  • 他には、介護士とケアマネジャーを兼任する働き方の場合です。

介護業務をこなしながら、ケアマネジャーとして広範囲の仕事をするのは、自ずと激務となってしまいがちです。

したがって、専任のケアマネジャーとして働ける職場を見つけ出すのが、転職をする際のポイントとなります。
自分に合った職場を見つければ、長く勤められる仕事ですので、転職を考える上での1つのきっかけにしてみてください。

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ケアマネジャーの仕事は利用者や介護の現場で関わる人から頼りにされる存在だといえます。

仕事内容は幅広くもありますが、それだけ多くの人とふれあえる機会があり、やりがいを感じられる仕事なのです♪

ぜひ、キャリアアップの目標として取得を目指してはいかがでしょうか。