介護事務(ケアクラーク)と医療事務は、長く安定して働けるといった点は共通していますが、それぞれに違いも存在しています。
ここでは、介護事務の仕事内容や求められる資格、平均給与や転職時の注意点とメリットについて見ていきます。

転職をする前にいきなり就活を始めてしまうのではなく、きちんと業界のことを知っておくことが何よりも大切です。



介護事務(ケアクラーク)の仕事内容とは?

介護事務の仕事は、「介護報酬請求業務」と「点数管理」が主な仕事です。
国や自治体が定める算定基準に従って計算をして請求明細書を作成していきます。

専門性が求められる仕事であり、医療事務の経験があるからといって介護事務の仕事がすぐにできるわけではありません。
きちんとした点数管理や請求書の作成ができなければ、事業所の経営にも大きな影響を与えてしまうため、とても大事な役割を担っているといえます。

勤務に携わる場所は介護事業所である場合が多く、医療事務と違って利用者の接客をすることはほとんどありません
小規模の事業所だと、介護事務を行いながら介護サービスのサポートをするといったことも業務に含まれます。

また介護に関する事務だけではなく、電話対応や職員の勤怠管理などの一般事務も任されるため、業務内容は幅が広いといえるでしょう。



ただ、介護職員と違って夜勤の勤務がないため、日中の業務が中心となります。
勤務は基本的に平日で、土日は休みといったところが多いといえます。

介護報酬請求業務は、毎月1日から10日以内に国民健康保険団体連合会に請求しないといけないため、この期間が繁忙期となります。
扱う点数が多ければ、その分だけ残業をしてしまうことにもなるでしょう。

決算期なども忙しくなりますが、これはどの会社でも同じであるため、事務の仕事に就く以上は念頭に置いておきましょう。

介護事務(ケアクラーク)と医療事務との違いは?

  • 違い①.働く場所

介護事務の仕事は、介護施設や訪問介護サービスなどの介護サービス事業所である場合が多いといえます。
その一方で、医療事務の仕事は病院や診療所、各種クリニックなどとなっています。

それぞれの仕事でまず押さえておきたいのは、「働く場所が違う」という点です。

  • 違い②.業務内容

次に、業務内容についても違いが見られます。
介護事務の仕事は「介護報酬請求業務」がメインですが、医療事務の仕事は「診療報酬請求業務」です。

「介護報酬請求業務」とは、介護保険料の本人負担分である1割を介護サービス利用者に請求し、残り9割を国や自治体に請求する業務のことを指します。
国や自治体に請求するときには、レセプトと呼ばれる請求明細書が必要となりますが、これを作成するのが介護事務に従事するスタッフの主な仕事内容です。

それに対して医療事務の従事者が行う「診療報酬請求業務」とは、病院などの医療機関が患者の本人負担を除いた治療費を請求する業務を担います。
レセプトを作成し、国民健康保険団体連合会などに請求する業務が主な仕事です。

介護報酬請求業務と診療報酬請求業務は、計算の仕方も違うため、算定の表し方も違います。
医療事務の仕事の経験があっても、介護事務の仕事をこなせる訳ではありません

  • 違い③.接客の有無

さらに接客の面でも違いが見られます。
介護事務の仕事は、日常的にあまり接客をすることがありませんが、医療事務の仕事は来院する患者に対して接客をすることも必要な業務です。

このような形で、介護事務と医療事務には違いがあることを理解しておきましょう。

介護事務(ケアクラーク)になるには?求められる資格

転職の女神 長女 転職の女神 長女

介護事務の仕事に就くためには、特別な資格は必要ではないものの、民間の資格としてケアクラークというものがあります。

これは介護事務に必要な知識を学ぶための資格であるため、介護事務の仕事に就きたい場合には取得しておいて損はないでしょう。

通信講座での取得が可能であり、費用は2万円前後、資格の取得までに必要な期間は1~2カ月であるため、ケアクラークの取得は比較的ハードルの低い資格になっています。

仕事では数字を扱うことが多いため、ある程度数字に慣れている人は向いているといえます。
介護報酬の請求に特化したソフトもありますが、勤務先に導入されていない場合もあるため注意が必要です。



また1日中座り仕事であるため、この部分も注意をしておく必要はあります。
業務そのものは体力的に問題がなくても、座った姿勢で作業を進めていくため腰への負担があります。
イスにクッションをしたり、定期的に立ち上がったりなどして、負担の軽減を意識しましょう。

介護事務の仕事では直接接客をする機会は少ないですが、電話対応などで社内外の人と接する場面も多いため、社会人としてのマナーは必要です。
電話を初めてかけてくる人からすれば、事業所で接する最初の人間となるわけですから、やはり印象が良いに越したことはありません。

介護事務(ケアクラーク)の平均給与、年収とは?

介護事務(ケアクラーク)の仕事は、年齢や勤続年数によって違いはあるものの、平均的な給与は15~20万円程度となる場合が多いといえます。
介護職と同じ給与水準をとっている事業所も多いですが、夜勤がない分だけ給与は抑えられています。

正社員の場合だと、賞与や各種手当もあるため、年収に換算すると300万円程度になるでしょう。
ただ、賞与や手当がない事業所もあるため、年収300万円以上を保証している事業所は少ないといえます。

介護事務は経営者やケアマネージャー、介護福祉士といった立場の人が兼任して行う場合もあります。
この場合だと、ケアマネージャーを兼ねている人で約400万円、介護福祉士を兼ねている人で約350万円前後の年収が見込めます。

ただ、介護事務専任のスタッフとして雇用されている割合は多くはなく、時給換算の非正規の職員となるケースも見られます。
平均的な時給は地域によって差はあるものの800~900円程度であり、一般の事務職とそれほど差があるわけではありません。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

介護事務の仕事は、長く安定的に働けるといったこともあり離職率が低いのが特徴的です。
そのため募集が少なく、なかなか応募する機会がないといったこともあるでしょう。

採用側からしても応募の殺到を避けるために、求人情報を非公開としている場合もあるため、転職サイトや転職エージェントなどを通じて仕事を探していく必要があります。

介護事務(ケアクラーク)の転職の注意点や、転職するメリットとは

介護事務の仕事に転職するときに気をつけておきたいことは、競争率が高いため、事前の対策が必要となります。

すでにある事業所の中から探そうとするよりも、新規にオープンする事業所を狙ってみるのも1つの方法です。
新規の事業所であれば、必ずといっていいほど事務員を募集しているため採用される可能性が高まります。

さらに、未経験だと採用されにくいため、ケアクラークなどの資格を取得するなど対策をしておきましょう。
初めから介護事務の仕事を目指すのではなく、まずは介護職として業界に入るのもいいでしょう。
業界のことがある程度分かっていれば、採用する側にとっても安心感があるため、採用の可能性が高まります。

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また、ハローワークや一般の求人サイトを利用するよりも、介護専門の求人サイトを利用してみるのもいいでしょう。

介護専門の求人サイトであれば、介護の仕事に特化している分だけ求人の数や種類が豊富ですし、勤務先の詳細な情報を得やすいメリットがあります。

介護事務の仕事に転職するメリットは、やはり長く安定的に働けるということです。
そして夜勤や残業も少なく、土日はしっかりと休めるためライフスタイルに合わせた働き方が可能となります。

仕事とプライベートをうまく両立させたい人には、おすすめの職業だといえるでしょう。