データベースエンジニアとは、それぞれの企業ごとで取り扱うデータベースの設計や開発、運用と管理を担う仕事です。

企業などの情報システムを支える大切な役割ですが、エンジニアの数は不足傾向のため、スキルや経験を身に付けたデータベースエンジニアの価値は増しています。

そのため、これからデータベースエンジニアを目指そうと思っている人や、データベースエンジニアとしてキャリアアップしていきたい方のために、データベースエンジニアの仕事内容や必要なスキルや役立つ資格、平均年収、働き方、キャリアパスなどについて解説していきます。



データベースエンジニアの仕事内容

情報化社会において、どの企業もインターネット上のデータの活用が欠かせなくなり、データベースエンジニアの仕事はその名称の通り、データベース全般に関わる業務を担っています。

SE 長男SE 長男

データ活用に欠かせないものが「データベース」であり、大事なデータを保存したり、必要に応じてデータを瞬時に取り出せるようにシステムを構築し運用したりしていくのがデータベースエンジニアの役割となっています。

では詳しく見ていきましょう。

(1)データベースの開発・設計

例えば、照射なら顧客リスト、病院なら電子カルテなど、企業によってどんなデータを扱うのか、種類や活用方法などが全て異なります。

クライアントや事業部門が、データベースにおいてどんなデータをどのように管理したいのかなどの要求を理解し、要望に合わせた最適なデーターベースの開発と設計を行います。

この段階では、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Server、PostgreSQL、MySQLなどのその企業に合わせたデータベースアプリケーションを使い、クライアントと打ち合わせやコミュニケーションを円滑に取りながら進めていきます。

単にデータの出し入れを管理するだけではなく、膨大なデータを企業戦略にどう活かしていくかといった能力も求められているのです。

これを担当するデータベースエンジニアは、「ソフトウェアエンジニア」と呼ばれます。

(2)データベースの管理

設計・開発したデータベースの中で、そのデータを長期的に保存や利用ができるよう、サーバーの最適化やネットワークセキュリティを強化、使用効率の最大化などを図ります。

これを担当するデータベースエンジニアを、「ハードウェアエンジニア」と呼びます。

(3)データーベースの運用・保守

稼働中のデータベースへのアクセス権やデータのバックアップを管理したり、パフォーマンスの監視、不正侵入やデータ流出などを防ぐためのセキュリティ対策を行います。

これを担当するデータベースエンジニアを「運用系エンジニア」といいます。

このように、データベースエンジニアと言っても、どこの業務を担当するかによってソフトウェアエンジニア、ハードウェアエンジニア、運用系エンジニアの3つの職種に分けることができ、必要なスキルは職種によって異なるため、きちんとしたキャリアアップを目指していく必要があります。

エン転職では、データベースエンジニアの1日の過ごし方の例がわかりやすく紹介されていました。


(エン転職SE(データベース系)のお仕事とは?の職種辞典より)

ただデスクに座って黙々と仕事をするイメージがあると思いますが、実際にはクライアントとの打ち合わせや進捗管理・調整など、人と関わることも多い職種となります。

クライアントの要望に合わせ、利便性を向上したり業務効率の改善に直接携われたりと、やりがいはとても大きく、業務内容も幅広いのでさまざまなスキルや経験を積むことができます。

仕事の厳しさや大変さとしては、クライアントの要望を取り入れた上でコストや今後の企業の成長性なども踏まえつつ、無駄のない的確な設計が求められるという点や、企業の経営に関わる大切な財産を守るという意識を常に持つことです。

データベースエンジニアに必要なスキルや資格は何?

データベースエンジニアとして働くには、特になにか特別な資格を持っていなければ働けないというわけではなく、一般的には、データベースエンジニアになるにはプログラマーやシステムエンジニアの経験を積んでいることが求められます。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

ただ、最近ではデータベースエンジニアが不足していることで、、データベース製品の知識のみを採用条件として挙げている企業も多く、採用の間口は未経験者にとっても狭いものではないと言えるでしょう。


とは言え、独学なりなんなり実務的な知識や技術を習得しておかなければ、採用には繋がりにくい可能性が高いです。

大規模な市場シェアを占めているOracleやMySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverといったデータベース製品を扱えることが大切です。

これらのデータベース製品の知識を備えていることが、データベースエンジニアとして働く基礎的なスキルと言えるでしょう。

またビッグデータの解析など、高速なデータ処理が必要となるシステムにおいては、MongoDB、Memchached、Redisなどのデータベースソフトを扱えると、就職や転職でさらに有利に働くほか、キャリアアップを図る入口となります。

データベースエンジニアとして確実に持っていなければいけない資格などはなく、知識や技術さえあれば無資格であっても働くことは可能です。

ですが資格を持っておくことは自分の実力の証明にもなり、資格取得者は待遇面で優遇されたり、比較的良い条件で採用される可能性も高くなります。

具体的におすすめな資格としては、基礎情報技術者の資格や情報処理技術者試験の1つであるデータベーススペシャリストの資格なども、アピールポイントとして有効に働きます。

基礎情報技術者試験


データーベースエンジニアの専門的な資格ではありませんが、情報処理推進機構(IPA)が実施している、毎年2回行われるITエンジニアの登竜門と言われている国家資格で、平成30年度の合格率は25.6%となっています。

ITに関する基本的な知識と技術を持っていることを認定する資格で、そのワンランク上の資格として「応用情報技術者試験」もおすすめです。

詳しくは情報処理推進機構(IPA)へ。

データベーススペシャリスト試験


基礎情報技術者試験と同じ情報処理推進機構(IPA)が実施している資格で、データベースの要件定義・開発・運用・保守に関わる知識と実践能力を認定するものです。

応募者数16,831名に対して合格率は14.4%とかなり難易度は高いですが、データベース取得する価値は十分にあると思います。

情報処理推進機構(IPA) データベーススペシャリスト試験

ORACLE MASTER(オラクルマスター)


オラクルマスターは、世界的に高いシェアを誇るオラクル社が認定するベンダー資格で、Oracle Databaseシリーズ製品の取り扱い知識や技術を証明するものです。

知名度も人気度もかなり高い資格であり、Bronze、Silver、Gold、Platinumと4段階のレベル別に資格が分かれていますが、ゴールドとプラチナは高難易度だと言われていますが、キャリアアップを目指している人には特におすすめです。

ORACLE MASTER(オラクルマスター)

また多くの部門や他のスタッフともやりとりをしながら業務を進めていくことが多いため、エンジニアとしての技術だけではなくコミュニケーション能力も求められます。

さまざまな製品を活用したり、効率的なデータベースの設計のために論理的に物事を考えられるスキルも必要だといえます。



30代や40代の未経験でデーターベースエンジニアへ転職する場合も、独学であっても資格などを取得し自分のやる気や知識を証明できれば、転職は不可能ではないでしょう。

データベースエンジニアの平均年収

データベースエンジニアの平均年収は、知識や経験・スキルによって異なります。

2015年に国税庁によって行われた「民間給与実態統計調査」によると、データベースエンジニアの平均年収は約575万円となっています。

全労働者平均が年収約420万円となっているため、平均よりも150万円程度高い年収だといえます。

日本人の平均年収についてはこちら日本人の平均年収は?年齢別・男女別&都道府県別の年収ランキングへ。

また、プログラマーよりも1割程度高く、他のIT系の職種と比べても高いやや傾向が見られます。

さらに、オラクル社のORACLE MASTERやマイクロソフト認定資格MCP、テクニカルエンジニアの国家資格を有している場合は、資格手当などがつき年収もアップする可能性が高くなります。

収入の多さはそれだけ専門性が問われているということですが、順調にスキルアップをしていくことで収入の増加が見込めます。



年収をさらにアップさせたい場合には「インフラエンジニア」として転職するのも1つの方法です。

インフラエンジニアとは、データペースエンジニアの仕事をさらに広げた職種です。

インフラエンジニアについてはこちらインフラエンジニアになるには?求人と転職事情、平均年収は?未経験でもいい?へ。

業務として重なる部分が多いため、無理のないキャリアアップをしていくことができ、年収としては1割程度の増加が見込めるでしょう。

さらにその上を目指す場合には、国家資格である「テクニカルエンジニア」の試験をパスする方法もあります。

難易度の高いものではありますが、その分だけ優遇されるといったメリットがあります。

データベースエンジニアの働き方は?

データベースエンジニアとしての働き方は、システムインテグレーター(Sler)やIT関連企業に社員として勤める方法のほか、派遣社員として働いたり、フリーランスとして活動していく道もあります。

どういった雇用形態であっても、業界の需要は大きく、求人情報に困ることはないと思います。

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データベース製品の開発ニーズはOracleやMySQLが大部分を占めるため、就職・転職の時にはそれらの知識や開発経験の有無が問われるでしょう。

データベースエンジニアとして中途採用で働く場合には、OracleMasterのブロンズやプラチナなどの資格を持っていると採用に有利に働きやすいといえます。

企業に正社員として勤務する場合は、基本的に平日の9時~17時といった一般の会社員と変わらない働き方をします。

フレックス制や裁量労働制を導入している会社であれば、自分のライフスタイルに合わせた働き方をすることが可能です。

フリーランスで働く場合には労働時間が不規則になってしまいがちですが、自分のペースで仕事をこなしていくことも可能になり、そういった部分にメリットを感じる人もいるでしょう。

正社員であれフリーランスであれ、データベースを扱う職種である以上、急なトラブルには早急に対応しなければならず、ここまでお話してきた通り、そういった場合には、残業や夜勤などが必要となる場合もあります。

データベースエンジニアの求人の傾向

それぞれの企業が持っている顧客データや商品データなどは、企業にとっての財産でもあり、これからの企業戦略を考える大事な情報源でもあります。

そういったデータを管理・保管し、効率的に活用するため、特にビッグデータを取り扱う事業など、データベースエンジニアは企業にとって欠かせない存在となっています。

ただ、データベースエンジニアの今後の将来性としては、求人数そのものは低下傾向にあるという意見もあるものの、それとは反対に今後も需要は益々高まっていく可能性があると書かれている転職サイトもあります。

ということは、転職サイトごとで見解は違うもののニーズはなくなることはなく、どれだけこの業界で生き残りキャリアをステップアップさせていけるかはそのエンジニアの実力やスキル次第であるということが言えるのではないでしょうか。

どんな仕事にしろ、将来が約束されている人というのはこの世にほぼ存在しないと思います。

大切なのは、今後社会がどのように変化していったとしても、必要とされる人材になることでしょう。

求人の傾向としては、単にデーターベースエンジニアだけの求人よりも、データベースエンジニアとサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどを兼任できるようなインフラ系エンジニアの求人が多くなってくることも予想されます。

また、求人募集は男女差別はあまりないものの、実際に働いているのは女性よりも男性のほうが多く、やはりその仕事の忙しさとプライベートとの両立がまだまだIT業界としては難しいのが原因であると考えられます。

ただ、夜勤が必要ない業務を担当したり、派遣として働くなど働き方を工夫することで女性でも十分活躍できる仕事だと思います。

女性でデーターベースエンジニアへの転職を考えている人は、学校やスクールに通うほか、通信など独学でも学べる方法は多いので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

データベースエンジニアのキャリアパス、転職について

データベースエンジニアの仕事は、プログラマーやシステムエンジンニアとして経験を積んでいる人にとっては、キャリアパスの選択肢になる職種だといえます。

実際に、マイナビ転職ではシステム開発・保守エンジニアから、”代えのきかない存在”として価値のあるデータベースエンジニアを目指して転職し、ORACLE MASTER Silverを取得してキャリアアップに成功した方の体験談が掲載されていました。

自分の代わりはいくらでもいるということに将来のキャリアに不安を感じ、そんな時にDBに関する業務を全て1人で担当していたデータベースエンジニアに出会ったことで、市場価値の高いデータベースエンジニアになろうと転職に踏み切ったそうです。

マイナビ転職 代えのきかない強み”を身に付けたい――市場価値の高いDBエンジニアを目指すより

データベースエンジニアとしてキャリアアップするなら、その技術や経験を活かして「プロジェクトリーダー」や「プロジェクトマネージャー」を目指すといった選択肢もあるでしょう。

また「ITコンサルタント」として働く道も開けてきます。

マネジメントにあまり向いていないと感じる場合には、専門的なジャンルでスキルを磨いていくスペシャリストを目指すのもいいでしょう。

ITコンサルタントについてはこちらITコンサルタントになるには?仕事内容や資格、年収、転職、キャリアパスは?へ。

IT業界での仕事は多様化しているので、特定の分野に秀でたスペシャリストは重宝され、アプリケーションの開発時などに、データベースを取り扱うことのできる人材を必要とするケースもあります。



データベース全般の業務ができなくても、データベース製品に対する知識を持っていれば採用に前向きな企業も多くあります。

IT業界で働き、スキルアップを図っていきたい人にとっては、データベースエンジニアは魅力的な職種だといえます。

年収の面では改善を図ることは比較的やりやすいものの、労働時間の面で待遇の改善を図ることは少し難しいでしょう。

これはどこの企業がといった話ではなく、データベースという企業にとって大変大事な部分を担う職種であるため、残業が多くなってしまうのは仕方がない面もあります。

月30~40時間の残業はあると念頭に置いた上で、転職を考える必要はあります。

ただしこれは平均敵なものであり、思いもよらないトラブルが起きた時には残業がさらに多くなったりすることもあるでしょう。

その反面で各種試験をクリアして資格を取ったり、インフラエンジニアとしてキャリアアップをしたりすることで収入のアップは見込めるため、業務量に見合った収入を得ることによって、バランスの取れた働き方をすることができます。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

データベースエンジニアへの転職を考える場合には、さまざまな角度から自分に合っているのかを見極めていきましょう。

専門性の高い仕事ですので、長く続ければ続けるほどやりがいを感じる仕事でもあります。