30代という年代は、新卒や20代の時とは違い、社会人としてのビジネスマナーや経験、仕事のスキル、知識が身についている世代ですね。

なかにはすでにある程度の役職についたりと、自分のキャリアプランに向けて着々とキャリアを積み上げている人もいると思いますが、30代という年齢だからこそ、転職を考え始めることも珍しくはありません。

30代というのは仕事の周りの環境や置かれている立場や責任の重さが変わったり、あるいはプライベートでも結婚や出産などで変化が起きやすい年代とも言えるでしょう。

そういった時に転職を視野に入れても、やはり30代ともなると「20代みたいにもう若くないし、この歳での転職は不利なんじゃないか?」とか、「自分に自信がないけど、採用してくれるような会社はあるんだろうか」など、いろいろ不安になってしまうのも当然です。

そこで、30代の人の転職は本当に不利なのか?という疑問についてや、30代の転職に多い理由、転職によって年収アップは可能なのか?さらには30代が転職活動で求められることや、成功のコツについてお話していきます。



30代はどれくらいの人が転職してる?

男性にとっても女性にとっても、30代は働く上でひとつの転機と考える人は多いでしょう。

ただ、あまり身近な人に転職をした人、もしくは転職を検討している人がいない場合、「そもそも転職をした人って、そんなにいるんだろうか?」と思う人もいると思います。

そこで、厚生労働省の上半期雇用動向調査によると、このような統計資料がありました。


(厚生労働省上半期雇用動向調査より)

これを見ると、令和元年上半期だけでも離職者は4,615,7千人、入職者は4,888,2千人いることがわかり、これだけ多くの人が仕事を退職、または入職していることがわかります。

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こんなに多くの人が退職してるんだ!ちょっとびっくりだよ。

では、30代で転職をしたことがある人ってどれくらいいるんだろう?


これについては、エン転職の「今までに転職をしたことはありますか?」というアンケート調査で知ることができます。


(エン転職第60回 テーマ:「退職の進め方」についてより)

これによると、30代の人は全体の77%の人が転職したことがあると回答している結果となっており、20代と比較してもかなり多くの人が転職経験があることがわかります。

30代に多い転職理由はどんなもの?

転職の女神 長女 転職の女神 長女

また、30代の転職理由として最も多いのが「給与が低かった」や「やりがい・達成感を感じない」、「企業の将来性に疑問を感じた」などがあり、中でも給与についての不満や悩みを抱える人がとても多いことがわかります。

やはり30代という年齢上、今後の自分の将来や人生設計についても深く考える時期でもあり、その上で”収入面”を転職理由に挙げる人が多いのは当然のことかもしれませんね。


これについては同じくエン転職の「退職を考え始めたきっかけ(退職理由)」というアンケート調査でも知ることができます。


(エン転職第60回 テーマ:「退職の進め方」についてより)

また、厚生労働省の最新の調査結果においても、「転職入職者が前職を辞めた理由」として、30歳から34歳の30代前半の人の退職理由で1番多いものは「給料等収入が少なかった」が12.0%で、次に「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が11.2%となっています。(その他の理由を除く)


(厚生労働省上半期雇用動向調査より)

続いて35歳から39歳までの30代後半に多い理由としては、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が14.8%で1位、2位が「能力、個性、資格を活かせなかった」の8.5%という結果となりました。(その他の理由を除く)

このように、30代前半と30代後半では退職の理由もやや異なり、30代後半では自分のスキルを生かしたキャリアアップを視野に入れていることもわかりました。

給料については、日本人の年齢別の平均給与についても知っておきましょう。

国税庁の民間給与実態統計調査によると、30歳から34歳の男性の平均給与は470万円、女性の場合は315万円、男女計では410万円となっており、次に35歳から39歳の男性の平均給与は528万円、女性の場合は314万円、男女計では448万円となっています。


(国税庁民間給与実態統計調査より)

さらに、転職サイトdodaの調査データを見てみると、各年齢別に平均年収が載っていました。


(doda平均年収ランキング 最新版【年齢別】より)

これを見ると、30歳から31歳、32歳、33歳、34歳、35歳、36歳、37歳、38歳、39歳と年齢が上がるにつれて、少しずつではありますが確実に平均年収は上がり続けていることがわかります。

しかし、自分の今働いている会社では、この平均年収には届かない給料しかもらえていない場合や、年齢が上がるにつれて昇給などで給料アップが見込めないような会社の場合、十分に転職の必要性はあるでしょう。

さらに職種別・業種別で見た平均年収はこんな感じです。


(doda平均年収ランキング 最新版【年齢別】より)

これを見て、あなたの職種や業種と比べるとどうでしょうか?

あくまでも平均なので参考程度ですが、あまりにも平均とかけ離れている場合には考えものですね。



とにかく目の前の仕事を覚えて慣れることに一生懸命だった20代と違って、30代は社会人としての心の余裕もでき、自分に合っている仕事や新しい可能性などを考えやすいのも理由のひとつです。

30代は家庭を持つ人が増えてきますし、既婚と未婚によって考え方が分かれる部分がみられ、未婚者に多いのは、結婚前に転職を果たして安定を図っておこうという考え方です。

社会経験を積んだことで、20代とは違う視点で将来への新しい目標を立て直す人も少なくはありません。

新たな計画に沿って資格取得を考える人もいれば、20代で得たスキルを武器にもっとステップアップしたいと考える人もみられます。



一方、既婚男性で転職を考える理由のひとつとして、経済的な事情が挙げられますが、これに対して既婚女性の場合は、出産や育児などを優先する理由が多いのが特徴です。

勤務先に、産休や育休などの制度や育児と両立できるような環境が整っていない場合には、退職せざるをえないのが大きな理由であり、一定期間育児に専念してから、社会復帰を考える人は多い傾向があります。

30代は、今の仕事をこのまま続けるのか、それとも将来を考えて思い切って転職をするかという分岐点になりやすい時期といえます。

転職の女神 長女 転職の女神 長女

私が既婚女性100人に「結婚や出産後も今の仕事を続けるのは難しいと感じたことは?」というアンケートをとったところ、73%の女性が「ある」と回答しました。

結婚や出産というライフステージに立ち、女性が働きやすい職場を求めるのは当然ですよね。


アンケートについてはこちら「結婚や出産後も今の仕事を続けるのは難しい?」既婚女性に実態調査をしてみました!へ。

30代の転職は、年齢が不利になる?

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30代は一般的に転職は不利という見方がされていますが、実際はどうでしょうか?

30代で転職をした人の中には、最初に感じていたものより転職活動自体に不利な印象はなかったという意見が目立ちます。


実際にdodaの2019年上半期の調査によっても、転職成功者の平均年齢として男性は「32.6歳」、女性は「29.8歳」、全体の平均としては「31.7歳」だという結果が出ており、ここ10年以上を通して見ると、転職に成功している人の平均年齢はかなり上昇傾向にあり、それだけ年齢については転職において最も重視される項目ではなくなってきていると言えるのではないでしょうか。


(doda転職成功者の年齢調査(2019年上半期)より)

さらに詳しい内訳を見てみると、転職に成功した人の年齢割合は、2019年上半期で言うと24歳以下は10.1%、25歳から29歳は39.6%、30歳から34歳が23.1%、35歳から39歳が12.8%、40歳以上は14.4%という結果が出ています。


(doda転職成功者の年齢調査(2019年上半期)より)

つまり、最も転職成功者に多いのは20代後半ですが、その次に多いのが30代前半、そして30代後半という順に転職成功者が多いことがわかります。

さらに興味深い結果が出ているのが、職種別で見た転職成功者の平均年齢で、これを見ると販売・サービス系の転職成功者の平均年齢は28.9歳と最も若い平均年齢となっていますが、技術系やクリエイティブ系など、そのほかの専門職系の職種においては、転職成功者の平均年齢は全て30代となっているんです。

結論から言うと、専門的職種であれば年齢が不利になることはないどころか、逆に経験を積んだ30代のほうが転職に成功している人は多いということです。

しかし、未経験職種への転職の場合、年齢が上がりすぎていると20代のように今後の将来性や成長に期待して採用してもらうのは難しくなるでしょう。

未経験の仕事への転職を考えている人は、少しでも今の仕事やキャリアで活かせる部分はないか、アピールに繋がるものはないかを考えなければ、成功率は下がると思いますので注意が必要です。

30代前半・後半で違う、企業から求められるスキルと経験

職種によって、採用条件に大きく差が出るということも少ない印象を受けますが、20代と比較して30代は体力面や伸びしろなどの面での企業からの期待は下がるのではないかという考え方はあります。

ですが20代の転職の場合、持続性に欠ける性格や忍耐に欠けるのではないかという心配を持たれることがある反面、30代の転職の場合は十分に経験を積んでいる年齢であるため、こういった見方をされる心配はほぼないといえます。

つまり、20代の転職とは求められるものが違うということです。

30代といえば仕事にも慣れ、勤務年数に応じた分の実績やスキルを積んでいるものであり、年相応の社会経験が求められるのが一般的です。

新卒との大きな違いはこの部分で、求人を出す側も社会人として必要な常識やビジネスマナーはできていると考えており、年齢に合った落ち着きや大人としてのマナーが期待されるでしょう。

また、30代前半と後半でも求められるものは異なってきます。

30代前半であれば、新しい分野へ挑戦する場合でもまだ吸収しやすいというイメージは高い傾向がみられ、業種にもよりますが、社会人としても経験を生かしながら必要な専門知識やルールを身につけられる可能性は十分と感じてもらえるでしょう。

20代ほどの伸びしろは期待できなくても、社会人としての基本的な教育をする必要がないという安心感があります。

多くの場合、30代前半の場合は大人のマナーと柔軟性、即戦力が求められます。



しかし、35才を過ぎてくるとそうはいきません。

全く0の状態から今後の伸びしろだけに期待して採用してくれるような企業は一般的に見て少なく、業種で異なりますが、必要な資格や実績を求められることがほとんどと考えるのが妥当です。

あなたを採用することで、企業にどれくらいの利益をもたせてくれるのかという期待は大きいと考えられます。

特に未経験の業界では、余程の武器をもっていないと採用が決まるのは難しい場合もあると考えておきましょう。

転職で年収アップは可能なのか?

収入面においては、既婚男性の場合は特に、勤務先の経営状況など経済的な事情で転職を検討する人もいますし、できれば転職をきっかけに収入を上げたいと考えるのが一般的です。

年代に関係なく不利と考えられている転職でも、収入アップを果たせる人はいますが、かと言って誰でも収入アップというわけにはいきません。

30代に入ってくると役職がついている人も出てきますし、うまい具合に役職をステップアップさせて転職できるという人もいますが、もちろん人によっては転職によって逆に役職がなくなってしまったり、失敗するようなケースもあるということは覚えておきましょう。

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しかし、転職による年収アップが成功している年代を見ると、成功率は20代後半が高いものの、実際に年収がアップした平均額は30代以降の上昇率の方が高い結果が出ています。

30代の方が転職によって大幅な年収アップを実現していることから、自信を持って臨みたいですね!


こちらの年代別!転職回数は何回までOK?回数が多くても不利にならない履歴書、面接対策も参考にしてみてください。

平均年収に関しては、こちら日本人の平均年収は?年齢別・男女別&都道府県別の年収ランキングを読んでみてください。

30代の転職を成功させるコツとポイント!

30代の転職は、ここまでお話してきたように、「難しい」「厳しい」と言うものではなく、むしろ経験やスキルをもとに30代だからこその実績をアピールしていくことで、転職に成功している人はとても多いと言えます。

しかし一般的にいえるのは、前職で何らかの実績を上げていることや、企業に貢献出来るスキルを武器にする必要があるということではないでしょうか。

女性の場合であれば、結婚や出産ですぐに辞めてしまうのではないかと思われやすい年代でもありますが、近年はハラスメントとして取られる可能性を考えて、面接で結婚や出産の予定について質問することは少ないかもしれません。

特に聞かれない場合でも、結婚の計画の有無や仕事への熱意の強さを伝えておく方が、すぐに辞める気がないと安心してもらえるため、いいでしょう。

男性や女性に関係なく採用を勝ち取りやすいのは、未経験の仕事よりも経験を積んだ仕事、もしくは前職に関連した仕事なら転職しやすいと考えられます。

同じ業界であるとか、職種自体は違っても勤務していた企業が同業者である場合などです。

例えば、前職が健康補助食品などの営業職で化粧品業界は未経験の場合であっても、勤めていたところが化粧品メインの企業なら、同業経験者という見方がされやすくなります。

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いずれにしても、30代に期待されるのは前職で得たスキルをどれくらい生かせるかという点です。

職務経歴書や面接では、前職でどのような実績を上げて、それが企業のどの部分に反映できるかをアピールしましょう。


業種が異なる場合には、どのようなものかを分かりやすく説明できるかどうかもポイントで、その上で企業のどの部分の即戦力になるかを、具体的に伝えることが成功につながりやすいといえます。

また、転職におすすめな時期などについてはこちら転職に有利な時期やタイミングは?何月がオススメ?ボーナスや資格取得、求人数、企業の積極採用も関係する?年代別のポイントも!も参考にしてください。

30代の転職で失敗する原因とは

30代の転職は年齢が不利になるのか?の項目でもお話したように、本来であればその職種の専門性や積み重ねた技術や知識によって、20代よりもそこを魅力に感じてもらえることも多い30代です。

しかし転職のノウハウをわかっていなかったり、年代に合った転職活動が出来ていない場合、転職期間が長引きなかなか転職先が見つからなかったり、あるいは転職したものの前職よりも満足度が下がる転職になってしまう可能性があります。

これらの転職に失敗する原因で多いものとしては、例えば今の自分の能力以上の待遇や年収を希望している場合や、転職の条件が多すぎる場合や妥協できないケースです。

給料を上げたいとか収入アップを転職で目指すのはいいですが、あまりにも度を越えた金額を求めるのは無理があるでしょう。

もちろんそれに伴って経験やスキルをしっかりと持ち合わせていれば別ですが、あまりにも理想と所有しているスキルや経験とが離れている場合、転職は成功しにくくなりますね。

また、転職の条件についても、希望の条件全てをクリアしたような求人というのは年代関係なく見つけるのは難しいです。

自分が絶対に譲れない条件には優先順位をつけ、妥協できるもの、妥協したくないものをハッキリさせましょう。

そのほか、あなたがどれだけ優秀なスキルや経験を持ち合わせていたとしても、その企業が求めているものでなければ需要と供給がマッチすることにはなりません。

希望している企業に合わせた自己アピールや、自分の売り込みが出来なければ、どれだけ素晴らしい人材であってもその企業の求める人材像とマッチしなければ、採用にはつながらないことになります。

その企業がどんな人材を求めているのか、自分はそれに当てはめてアピールすることが出来るのかという点も大切になります。

こうした注意点をしっかりクリアできれば、30代でも転職に失敗することはないでしょう。

転職を失敗出来ない30代だからこそ転職エージェントでキャリアアップ

30代の転職は、人生を考え直すきっかけにする人は多いかもしれません。

新卒で就職した企業を経験してみて、自分には向いていないと感じる人もいれば、そこから新たな計画ができる人もいます。
結婚を前に、方向性に変えておきたいという人もいるでしょう。

30代は転職には不利と考えている人もいますが、転職するなら30代のうちが良いと考えている人も多い傾向があります。

特に不利とは言いにくいですが、年齢や転職を重ねるごとに条件が厳しくなりやすいのは確かです。

そのため、条件を落とさずに転職できる可能性が高いのが30代と考えておく方がいいかもしれません。



30代の転職はできるだけ失敗を避けたいところですね。

そのため、退職してから次の職探しをするのはおすすめできない行動です。

いったん収入が絶たれてしまうと、なかなか決まらない場合に焦りから判断が甘くなってしまうことがあり、それだけではなく、心に余裕がない状態が採用担当者にも伝わり、十分自分をアピールすることもできなくなります。

近年はさまざま転職エージェントがあります。

転職エージェントのメリットは、自分に合った求人を探してくれるだけでなく、給与などの待遇の交渉や面接のセッティングなどを代行してくれることです。

転職エージェントを利用して、働きながら転職先を探す人も増えていますので、どうアピールしていいかわからない人や、転職活動に時間が取れない人は利用してみましょう。

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30代の転職は社会人としてのマナーや、経験を武器に前職の実績や資格を生かしやすいかどうかを考え、転職エージェントを活用しながらキャリアアップを目指しましょう!